┥三国無双文┝

□ありがとう
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ありがとうも
ごめんなさいも
好きも
嫌いも

さようならも


たったひと単語の中に
どれだけの気持ちを込める事が出来るのだろう
どうすれば気持ちを全部伝える事が出来るのだろう



「ありがとう」


「ありがとう」


・・・・・・・・・。

「うーん・・・」

大広間の一角。
向かい合って正座で座る様は端から見ればさぞおかしいだろう。

「どうすれば良いと思う?」

「うーん・・・」


大の男二人が唸る

大広間で唸る


「だってたった一言だぞ?」

「うーん・・・」

「いい加減『うーん』意外喋ってくれ」

「う・・・」

「いやいやいや。」

周りの視線は最早気にならないくらいの時間をこの話題で費やしていた。

「この溢れんばかりの気持ちは
ひと事じゃ伝わりきれないって」

「だから考えてるんだろう?」

「ごもっともなお言葉で・・・」




最初目にしてから今までで何回この場所を
通っただろう。
真剣な顔をしているから、話しかけるのも躊躇われて・・・


「でもそろそろ話しかけた方が良いかな・・」
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