┥幻想水湖伝文┝

□ありがとう
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「王子!!」

「カ、カイル、どうしたの?」

秘密のサプライズ準備中。
ばれたくない人にあってしまった・・・

「? 王子こそどうしたんですか?そんなに驚いて」

「え、えと・・・いきなり後ろから話しかけられたら
驚くよー」

「それはすいませーん。でも、俺ずっと王子の後ろに居ましたけど・・・?」


そっか・・・護衛はいつも後ろに居るんだった・・・
当たり前すぎて忘れてた・・・

「あのさ、カイル。今日はいいよ、護衛しなくて」

「Σ・・・!!」

青い空に映える金髪。鋭く彩る目元の赤。
自分より高い所にあって、男の人らしい
がっちりとした体格。

全て自分の理想で、格好よくて、
いつも見とれてたその人。

小さい頃から自分の事を見守ってくれてた人。

「あのさ、別にね、カイルが邪魔とかウザッたいとか
一緒に居たくないとか思ってる訳じゃないからね?」

「・・・王子、そこまで言ってません。」

「ごめん・・・でもね、今日はちょっと一人で
やりたい事があってね・・・」

「そうですか・・・わっかりましたー!
では今日はお暇させて頂きますね。
でも遠出する時は必ず呼んでくださいねー」

「分かった。」

「では!」


口は軽い。女の人好き。
端から見ればあまり良いイメージはないだろう。
それでも一緒に居て気がついた。
女王騎士としての誇り、姿勢、気構え。
何より自分の大切な人に対しての思い。


「格好いいよね・・・」
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