D.Grayーman
□また会えてよかった
1ページ/3ページ
不意に首筋に痛みが走る。
目を開けると陽に照らされる天井。
視線を少し下にずらすと朱い髪がふわりと揺れた。
「はよ」
にこりと優しく微笑んで頬に手を添えられる。
額に軽く唇を押し付けられて、離れていく顔と身体。
「…おはよう、おかえり」
起き上がって挨拶を交わす。
先程痛みが走った辺りを手で摩る。
「ただいま。飯食おうぜ」
待ってて、と言って外に出るよう指示し、念のため鍵を掛ける。
着替えて顔を洗い、櫛を手に取り髪を梳いていく。
鏡に映った自分の姿に目を遣ると、首元に暫く見ていなかった"紅"。
「やられた…」
まさかこんな目に付く所に、と呟きながら櫛を置き、耳上の髪を軽く纏める。
愛用しているカーディガンを肩に掛け、鍵を手に取る。
もう一度、鏡の中の自分を確認し、部屋から出た。