D.Grayーman

□また会えてよかった
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 不意に首筋に痛みが走る。
 目を開けると陽に照らされる天井。
 視線を少し下にずらすと朱い髪がふわりと揺れた。


「はよ」


 にこりと優しく微笑んで頬に手を添えられる。
 額に軽く唇を押し付けられて、離れていく顔と身体。


「…おはよう、おかえり」


 起き上がって挨拶を交わす。
 先程痛みが走った辺りを手で摩る。


「ただいま。飯食おうぜ」


 待ってて、と言って外に出るよう指示し、念のため鍵を掛ける。
 着替えて顔を洗い、櫛を手に取り髪を梳いていく。
 鏡に映った自分の姿に目を遣ると、首元に暫く見ていなかった"紅"。


「やられた…」


 まさかこんな目に付く所に、と呟きながら櫛を置き、耳上の髪を軽く纏める。
 愛用しているカーディガンを肩に掛け、鍵を手に取る。
 もう一度、鏡の中の自分を確認し、部屋から出た。




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