腐った男子です。

□暗雲、球技大会
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「生徒会室に弁当を取りに行った帰りだ。どこか静かな場所で食おうと思ってウロウロしてたら、カモにされそうな奴が特別棟に向かって行ったから」

「……それでわざわざ、僕を止めに来て下さったんですか?」

ストレートに尋ねれば、どこかバツが悪そうに顔を背けられます。
その表情のままの口調で、こう返されました。

「一応生徒会長だからな。校内での事件なんかは防ぎたいだろ」

「………」

今ちょっと、いえかなり感動してしまいました。

俺様な口調や態度が王道的で、しかもモテモテな生徒会長。
それだけでも理想的な攻めキャラなのに。

責任感まであるって、最高じゃないですか?

ほんの少し見え隠れするツンデレ臭もたまりませんが、これで受けには溺愛とかだったら、もう最高に萌えます。

無意識でしたがウットリ見上げていた僕に、会長は表情を変えていました。
からかうような、意地悪な笑みです。

「何だよ、そんな顔して。俺に惚れたのか?」

あぁ、そんな表情も理想的な俺様顔ですね。



………って。


「えっ!?」

「まあ俺みたいに完璧な男はそうそういないからな。お前は玲のお気に入りみたいだが、俺が好きならセフレにしてやらない事もないぜ?」

「ふぇっ!?」

下半身が密着するように腰を抱かれ、奇声を発してしまいました。

「えっ、あのっ、えっ!?」

「心配しなくても俺は上手いぜ。経験がなくても、ちゃんと仕込んでやる」

ちょ、何故そんな話になるんですか!?

急展開で予想外すぎる内容と、近すぎる綺麗な顔のせいで、パニック状態です。

でもきちんと伝えなくては。
これだけは、きちんと。



「お、お断りします…っ!」



目をつぶって、会長の身体を腕で押し返しながら。
必死で、そう言いました。


「………は?」


返ってきたのは、呆気に取られたような声。
よほど意外だったのか、腰に回されていた腕の力も抜けていました。

この隙に、と距離を取った僕を、会長は驚きの表情で見つめています。

そ、そんなに驚く事でしょうか……?

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