腐った男子です。

□見学、親衛隊
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「うわ……」

そんな僕達に気付いた畑田くんは、笑われた事を怒るでもなく、何故か頬を赤らめていました。

「……?」

その反応が不思議で、再び由比くんと視線を合わせてから首を傾げます。
すると畑田くんは我慢できないというような、押し殺すのを失敗したような、奇妙な声を出しました。

「畑田、キモい」

「だってだってだって〜! こんなに至近距離でこの2人見るの初めてなんだもん! 近くで見るとやっぱ可愛い〜…! セットで並ばれると余計に可愛い〜!」

ジタバタしそうなほど、畑田くんは身体を揺らしています。

由比くんが可愛いのは同感ですが、僕もですか……?

困惑している僕の顔を見て、畑田くんは説明を始めました。

「いやぁ、戸波はパッと見た瞬間から美少年なんだけどね? 中谷もよく見たら可愛いよなって評判になってて。2人で並んでるとまとめてハグしたくなるよなって」

「えぇ!?」

そんな話題が上るのですか!?
またしても当事者になっていて、萌えるに萌えられないです!

「でも市川がいっつも側にいるし、何となく話し掛けづらくってさー。そうこうしてる間に戸波には親衛隊ができちゃうし。あ、質問してもいい?」

「な、何でしょうか……」

早口でまくし立てられ、気圧されてしまいそうです。

「中谷って市川と付き合ってんの?」

「!?!?!?!?」

ちょ、え、ええぇぇぇぇ!?

「な、何でそんな話に……!?」

「市川に聞いても『さあ?』とか『馬鹿?』とかばっかで、いっつもはぐらかされんだよ。市川と中谷は示し合わせて入学したらしいから付き合ってるんだろうとか、それにしてはいっつも3人だよなとか、いっそ3人でニャンニャンしてんのかなとか、クソ羨ましいな市川シネとか、色々噂があるんだけど、実際どうなの?」

あまりの情報料の多さに付いていけません。
そして何気に最後のは噂ではなく悪口ですよね。

ビックリしてしまい絶句している僕と由比くんに、ニッコリ笑った陽一さんが言いました。

「馬鹿だろ?」

陽一さん……。
後ろで畑田くんが泣いていますよ…?













根も葉もない噂の誤解を解いた後、僕達は4人で食堂に向かいました。
時間は少し中途半端だったのですが、午後は用事で外出するという陽一さんに合わせ、少し早めのランチタイムです。

「なんかダブルデートって感じでワクワクするな〜。あ、戸波の親衛隊に目を付けられたらフォローはお願いします」

畑田くんは終始この調子で、彼の社交的な性格を知るには充分すぎるほど、たくさんのお話をして下さいました。
陽一さんはその横で、微妙に嫌そうな顔をしています。

同室ですものね…。
このマシンガントークが毎日なのですよね……。

今までほとんど話した事がなかったのは、陽一さんの配慮だったのかもしれないとか、少し思ってしまいましたすみません。


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