腐った男子です。
□見学、親衛隊
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「親衛隊にも入ってないような、会長様を敬う気持ちがない人間が、会長様と個人的に関わるなんて言語道断ってのが総意なわけ。所属さえさせれば、元々親衛隊には何人かのセフレがいるし、やっかみを個人に集中させないようにもできる。制裁なんて事になったら、最悪の場合、隊の解散もあるんだからね」
……はぁ。つまり親衛隊員に制裁をさせない為、ですか。
本当に意外です。
フィクションによる知識や固定観念は、全くアテにならないですね。
怖いと思い続けていた親衛隊ですが、ほんの少し不安が薄れていきます。
「まぁ、問題にならないよう忠告や警告は怠らないよ? 会長様に色目を使うような輩は少ないほうがいいから」
前言撤回です。
今の川原先輩、ものすごく怖い目をしていました……。
でも本当に、想像していたより平和なのかもれせません。
怖いと思い込んでいた親衛隊の意外な実態を聞き、好奇心が膨らんできました。
「あの、少しお訊ねしてもいいですか」
「なに?」
「親衛隊って、どんな活動をなさっているのですか?」
「どんなって、会長様の健やかな生活を守るのが主な活動内容だよ。さっき言ったみたいにセフレの子もいるし、ただ単にパシリのような子もいる。輪を乱す生徒には注意喚起して、あとは会長様の素晴らしさをみんなで語り合ったり」
それはつまりBL的恋バナ…、ですか!?
「あ、あのっ、それって見学できたりとかは…?」
「ハァ!?」
あ、川原先輩の目が般若のようになりました…!
こここ怖いです…!
「アンタ会長様のセフレ断ったんでしょ!? それで親衛隊に興味あるとか、何なの!?」
ごもっともなのです。
とてもごもっともなのですが、腐男子として、気になるところなのです。
だってリアルBL恋バナですよ?
今日までほとんどBL的要素をウォッチングできていない僕にとって、数少ない萌えのチャンスだと思えて仕方ないのです。
「どうしても見学したいなら、会長様を尊敬してるって言えるよね? 会長様の素晴らしさを語れるなら、見学は許可してあげる」
会長の素晴らしさ、ですか……?
「ええと、まず第一には容姿の端麗さが際立つと思います。意志の強そうな目が印象的で、内外面どちらも自信に満ちているのがわかるのですが、それを納得させるだけの実力もあるから皆さんに支持されているのですよね」
会長をよく知っているわけではないですが、今までの学園生活で感じた事を思い出しながら、一生懸命に話します。