腐った男子です。
□見学、親衛隊
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「親衛隊に必要なのは会長様を尊敬し、憧憬する気持ちでしょ? 彼はそれを充分に持ってるよ」
「………」
信じられない、という目で見られています。
確かに憧れというか『萌え』なので、入隊資格があるのか怪しいところだと、自分でも思います。
それでもモモ隊長の決定には逆らえないのか、隊員さんは渋々ながらも僕の見学を認めてくれたようです。
せっかくだからとそのまま同じテーブルに座り、ぎこちないながらも雑談が始まりました。
それからはもう。
あれです。
も、萌えです……っ!!!
急にテンション上がってしまってすみません…!
でもですね、会話を交わす内に少しずつ打ち解けてきた皆さんが、それはもう『恋する乙女ですかっ!』ってくらい頬を染めたりしながら恋バナをして下さってですね。
会長の私服姿が素敵だっただの、球技大会の時の汗を浮かべた姿がセクシーだっただのと、会長を褒め讃える会話から始まり。
恋バナをウキウキ聞いていた僕に、高校生になってから告白され始めた話なども話して下さり。
あまつさえ彼氏ができた話を聞いた時には、よく悶絶しなかったものだと自分を褒めてあげたくなりました。
心の中では悶絶していたのですけどね!
リアルBL恋バナです!
これでテンションが上がらなくては、腐男子ではないです!
「良平くん、ホントに恋バナ好きなんだね〜」
「はい!」
ニコニコ笑顔で接する内、いつの間にやら下の名前で呼ばれるようになっていました。
最初は警戒されていたのが嘘のように、居心地の良さも感じてしまいます。
僕が求めていたのはこれだったんです。
男子が男子に恋い焦がれ、キャッキャウフフなリアルBLに接する事を、本当の本当の本当に求めていたんです。
すっかり意気投合し、和気あいあいと過ごしていた僕ですが。
気が付けば生徒会長親衛隊への、仮入隊が決まっていました。
あ、あれ……?
見学、親衛隊 end