腐った男子です。

□再会、社会科室
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「良平ってさ。想像もしてない展開に巻き込まれるよな」

はい。全くもって、僕もそう思います。

「セフレに誘われてたってだけでも驚きなのに、親衛隊に入るってさ」

いえ、あの。
正式に入隊したわけではないんですよ?

ただ何と言いますか、あまりにも会話を楽しんでしまった手前、お誘いを断れなくなったと言いますか。
気が付いた時には流れに流されていたと言いますか。

それでも仮入隊で済んだのは、自分ではよく頑張った方だと思うのですが。

「これを会長が知ったらどういう反応するのかね? 今までそういう展開は読んだ事ないな」

僕もありません……。

って言うか陽一さん。
凄く楽しそうですね……。



皆様、こんにちは。
前回、何故か生徒会長親衛隊に仮入隊してしまった腐男子その2です。
ちなみにその1は陽一さんです。

外出から戻った陽一さんにやんわりと(した雰囲気でありながら断りようのない迫力でもって)事の経緯を聞き出された僕は、流れるような誘導によって、洗いざらい全てを吐露してしまいました。

呆れたような発言をしながらも楽しそうにしている陽一さんを前に、何ひとつ言い訳のしようがない状態に陥っています。

でも本当に、何故こんな事態になってしまったのでしょう…。
僕はただBL的恋バナをお聞きしたかっただけなのに。

「し、親衛隊にいるとしても、会長はお忙しい方なので、そうそう接触する機会はない、と思うのですが…」

「そうなのかもしれないけどさ。でもわかんないぞ? 良平はかなりの巻き込まれ体質みたいだし」

ぐうの音も出ません。
確かに僕、色々と巻き込まれているような気がします。

「ま、とりあえず何かあったら報告な。親衛隊からの制裁が心配なくなっただけでも、よかったんじゃないか?」

そうですね!
そうですよね!

それはかなりの安心材料なのですよ!
それにこれからは生BL恋バナを聞き放題です!
毎週火曜にあるという、親衛隊お茶会が楽しみでなりません!

入学からこれまで、全くと言っていいほど萌えに出会えなかった日々よ、さようなら!
僕はこれから、楽しい腐男子校生ライフを満喫したいと思います!

「良平は俺の期待を裏切らないって、信じてるからな」

とてもいい笑顔でそう言われたのは、聞かなかった事にしてもいいでしょうか。


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