憧れの人は変態でした。

□小話
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3周年記念リクエスト小話

匿名様リクエスト
【カプ】透×成親
【お題】悪戯(裏)


 似た者同士?


しっかりと戒められた両手は頭上で拘束され、力ずくでは外れそうにもなかった。

「……どういう事だよ、これは」

「エヘヘ。ちょっとしたイタズラ? みたいな」

現状を作った張本人は、陽気に笑っている。

「イタズラで済むかっての」

「えぇ〜?」

少しばかり整理しよう。
翌日が休みだって事もあって、俺は昨日、生田先輩の家に泊まった。

いつも以上に積極的に迫られ、しっかり煽られた結果、盛大に盛り上がったのは必然で。
激しい行為で疲弊しきった身体は、事後処理もそこそこに、泥のような眠りに落ちていった。

で。目が覚めたらこの状態。

「何がしたいんだか……」

突飛な行動はこの人の専売特許だが、さすがにこれは謎過ぎる。

「ナニって、エロいコト」

まぁ、そうだろうな。

「で? 俺を縛ってどうすんだ?」

「そうだな〜。あんま考えてなかったんだけど…………、あ!」

いかにも名案を思い付いたといった様子に、寒気がする。
嫌な予感しかしない。

「ねぇねぇ、速水クン。ネコやってみる?」


……………は?


「ネコって、つまり……」

「俺が速水クンを抱いちゃうってコト。俺、タチもけっこう上手いよ?」

「ちょ、いやいやいやいや、ちょっと待て!」

「そーゆー反応すると思ったんだよねー。冗談だから安心してよ」

ニコニコ笑いながら言われても、安心できない。

「ホントにしないってば。ただちょっと、速水クンを好き勝手触りたかっただけだし」

そう言って、お互い一糸纏わぬ姿のままだった身体を、ピタリと密着させてきた。
衝動的に抱き締めたくなるが、手を戒められたままでは、当然不可能だ。

「もどかしい?」

うなじにきつく吸い付かれる。
これは跡になるな。

「……わかるだろ」

既に完勃ちしている俺自身を、尻の表面で刺激しているくせに。

「ふふ、こーゆーの久々で興奮するね。最近は速水クンに主導権取られてるから」

「どこがだよ。いい様に翻弄されてるだろ。俺が」

「そんなコト言って。俺が最後には喘がされっぱなしなの、わかってんデショ?」

確かにそうかもしれないが、切羽詰まるのはお互い様だ。
感じまくるこの人を前にすれば、俺だって余裕なんてなくなるんだから。

「とにかくそれは引き分けって事にして、腕を解いてくれ」

「え〜…?」

不服そうな顔をするから、反動を付けて大きく腰を揺らしてやった。
行為中の突き上げを思わせるような、卑猥な動きで。

「あ…っ」

途端に色めいた吐息が零れ、ニヤけそうになる顔を必死に引き締める。

「こうやって突かれたいだろ? 成親……」

そして耳元には、甘い囁きを。

「ズルい………」

すっかり溶けた眼差しを見て感じるのは、形容し難い満足感。
後は激しい劣情だ。


「あ、あぁ…っ、んっ」

「く、はぁ……っ」

拘束が解かれたと同時に、深く繋がる。
セーブの効かなくなった身体に抗わず、ひたすら行為に没頭した。

ふと、仕返しに自分も何か悪戯を仕掛けようかと考えたが、喜ばせるだけになりそうな予感がする。


しかし自分も、かなり楽しめるだろうと思ってしまった。



 end

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