憧れの人は変態でした。
□キリリク
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「羊が556匹、羊が557匹、羊が558匹……………。
あぁぁ、やっぱ無理! 全然眠れないぃぃぃ!!!」
深夜に真っ暗な部屋の中で奇声を発している俺を、どうか不審者だと思わないで下さい………。
it's new world
えーと。
いきなりお見苦しいとこをお見せしてスミマセン。
毎度こんばんは、箕島 比呂です。
現在時刻は午前2時。
いくら明日が休みだっていっても、普段ならとっくに寝てる時間です。
でも今の俺は、ワクワクやらドキドキやらが酷すぎて、まったく睡魔に襲われません。
それと言うのも、実は……、えっと……、何だホラ……、アレですよ、つまり………。
明日、会長の家にお泊りなんです……!
ギャーッ、言っちゃった! 恥ずかしーっ!
いやいや、あのね!?
普通に遊びに行くだけなら、すでに何度か経験済みなんだけどね!?
お泊りって実は、初めてなんだよ……!
そんなビックイベントを控え、すっかり高揚しちゃった俺は、まぁ案の定眠れなくなっちゃったりしたワケでして。
羊さんを数えても全く効果がなかったりするワケでして。
だってさ。
会長と付き合い始めてから、初のお泊りだから、緊張するなって方が無理じゃない?
いけないとは思いつつも、ちょっとHな期待なんかもなくはないワケで………、って何言ってんの俺!
破廉恥です! 破廉恥ですよ!
いつからこんな子になっちゃったのよ、俺!
……………スミマセン。
取り乱しました。
「あーもー全然ダメだ………」
こんな精神状態のままじゃ、朝まで眠れるはずがない。
少し気分を変えて落ち着こうと、部屋の明かりはつけないまま、テレビのリモコンに手を伸ばした。
落ち着かない気持ちのままに、テレビのチャンネルを次々に変えていく。
深夜番組なんてほとんど見ないから、何があるのかもよくわからないまま、ドンドン変える。
そして――――。
『さぁでは視聴者の皆様もメモをご用意下さい! 今から気になる、あなたのH力診断をスタートです!』
………………はい?
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