腐った男子です。

□接近、レクリエーション
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「よっす。どうだった?」

休憩時間になってすぐ、陽一さんが僕に近寄りそう問いました。
どうというのは、さっきの授業で返却されたテストの結果についてです。

「なんとか合格点は取れました…」

外部入学組として、ある程度の成績を望まれている立場なのですが、小言を言われない程度の点数はキープできていると思います。

「おお、さすが。あんな事があったのになぁ」

「に、ニヤニヤしながら言わないで下さーい!」

テスト前の騒動から2週間経った今も、陽一さんはあの一件をネタに僕をからかう事をやめません。
その度に思い出してしまうアレコレが、ダメージを蓄積させていきます。

項垂れていた僕の携帯が、数回震えて着信を
告げます。
話を反らす機会を得たと携帯を確認した僕は、着信したメールの内容に、更に項垂れてしまいました。

「誰から?」

訝しげな陽一さんに、無言で携帯を差し出します。
もう直接見て頂いた方が早いです。

「シロ先輩って、親衛隊の人じゃないのか? えーと……、あぁ」

文面を読み終え、納得の声。

メールの送信主は親衛隊での連絡係を務めているシロ先輩で、その内容はと言うと……。

「良平、この間のお茶会行かなかったのか?」

そうなのです。
テスト前には他の部活と同じように活動を自粛していた親衛隊お茶会ですが、テストが明ければ当然、活動を再開します。

ですが僕はと言うと、テスト明け1回目のお茶会を、自己都合により欠席してしまったのでした……。

理由は言わずもがな、会長にキ、キ、キ……ス……された事が原因です。

親衛隊の皆さんは、恋愛感情かどうかはともかく、会長を慕っている方々の集まりです。
会長に恋愛感情はありませんと公言していながら、まさかの既成事実ができてしまった僕は、皆さんに合わせる顔がなくなってしまいました。

そして今日は再びお茶会が行われる日。
前回同様、不参加でいいならばそうしたかった僕なのですが、シロ先輩に先手を打たれてしまいした。

今日は絶対来なさいね、というメールの文面が、いっそ脅迫に感じるほどのプレッシャーで画面に表示されているのです。

「で? 行くよな?」

相変わらず他人事な陽一さんは、満面の笑みを浮かべています。
僕が行きたくないのを見越した上で、自分が萌えるネタを求めているのがわかりやす過ぎます……。

「行かないわけにはいかないでしょう……」

心はズッシリと重いままですが、親しくして頂いている先輩を無下にはできませんよね……。


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