最もふざけた奴らの暇つぶし
□招き猫
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悟空「『幸運を招く猫の置物』かぁ…。これがあれば幸せになれんの?」
八戒「昔からそう言われてます。常に自分達の身近に置いておく事が大切ですよ(ニッコリ」
悟空「ふ〜ん…そっか!んじゃあ!!……―――」
(新聞読み中の三蔵の机に招き猫を置く悟空)
三蔵「…(気づいてなし」
スッ…――
(新聞に視線を向けたまま近くにあるお茶に手を伸ばし)
…ゴト…
(その手は湯飲みでなく、すぐ近くに置かれた招き猫へ)
…カタンッ…バシャッ
(招き猫は傾き、バランスを崩して湯飲みを倒し、見事三蔵の衣服を汚したのであった…)
八戒「あっ!タオル、タオル…!」
三蔵「チッ…誰だ、こんな所にこんな邪魔なもん置きやがったの#」
悟空「邪魔扱いすんなよっ!!幸せをくれるんだぜ!」
(唇を尖らせながら招き猫を持って窓辺に向かう悟空)
悟空「こっちのテーブルなら、邪魔扱いされねぇよな…♪」
(そのまま満足気に走り去った悟空←おやつの時間)
悟浄「フー…スッキリした…」
(ちょうどお風呂から上がった悟浄。窓辺近くのベッドに近づき)
悟浄「………ん?」
(ふと目についたのは、ミニテーブルに置かれた、少々浮いた存在の招き猫…)
悟浄「何だ、コレ」
(おもむろにそれを手に取れば、お手玉式に片手で空中へ放り投げ)
ガチャ…――
悟空「ハー…旨かった♪――…ん?………狽ぁッッ?!!」
悟浄「あ?…白ノててッ?!髪の毛引っ張んな、バカ猿!!ιいきなり何しやがる!!」
悟空「何しやがる、はこっちのセリフだっ!!幸せ放り投げんなよな!」
悟浄「はぁ?ι…何だ、それ。どういう意味だっ……て、もういねぇしι」
〜悟空自室にて〜
悟空「やっぱ、ずっと自分で持ってた方が安全だな!…………ふぁ…眠くなってきた…」
(そのまま招き猫を握り締めて眠る悟空)
〜数分後〜
悟空「クー…カー……んぅ〜…うるへぇ…猿って…言うな…えろ…河童……――」
バキッ…!!――
(夢の中で無意識に手に力が入ったのか、大事に握られた招き猫は、その手によって粉砕したのだった…)
-第9話-
**招き猫**
end