グレイシアの墓

□エルザの大聖堂への行列
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血が足りぬ、血が足りぬ、ああ妾には血が足りぬのじゃ、あああ。

気付けば私も母様と同じことを口走る。

幼い頃からあの人の血を飲んでいたから、私の髪も瞳も真っ赤な血の色。母様と同じ血吸い蝿の色。

血が足りないのは本当で、ちびりちびりと飲んでいたのに、もうなくなってしまった。

あの人の血なのだから、一滴残らず搾り取れば良かったのに、母様の母様はそれをしなかった、大間抜け。

そんなに少ない血なのだから、一滴一滴大切に飲めば良かったのに、母様はそれをしなかった、大馬鹿者。

おかげで、あああ、血が足りない、血が足りぬ、足りぬのじゃ、妾には血が、うああ、あ。

血を、寄越せ。その血は元来妾のもの。貴様が持っていて良いものではない。

今度こそ、一滴残らず飲み干さなくちゃ、ねえ母様!
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