グレイシアの墓
□五十年祭〜十月祭
1ページ/7ページ
50の年に一度
敬虔なる民のロウランへの巡礼
その行列は大地の果てまで連なり
その歌声は大地の果てまで轟く
民は歌う、『ロウラン!』と。
小高い丘を越えると
朝もやの向こうに、
聖なるかなゾフィアの都市、
ロウランが垣間見える。
民は熱狂する、『ロウラン!』と。
『ロウラン!ロウラン!
聖なる民に御慈悲を、
憐れな民に祝福を!
ロウラン!ロウラン!』
聖ゾフィア司教国聖典12巻より、『五十年祭』の項目
十月がやって来た!
実り、豊穣、ゾフィアの恵み!
タンバリンを鳴らせ、ワイン樽を叩け!
角笛が遠くで響けば、マンドリンが掻き鳴らされる!
詩人は詠う、愛のセレナーデを!
村人は踊る、乙女のスカートで!
実りの十月がやって来た!
踊りの十月がやって来た!
聖ゾフィア司教国北方に伝わる民謡より、『十月祭』の一節