世界はまるで関係ないかの様に

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「あぁ…。」
快感のあまりに思わず声を漏らす。じりじりと迫る絶頂に体が奮える。熱の籠る個室にお互いの体は汗ばみ、ワイシャツを濡らす。体を支える手は壁に貼られたタイルを滑る。
「声、出すなよ。誰か来ちまうぜ。」
熱い吐息と共に耳元にかかる囁きに反応し、体はより熱を帯びる。腰を押し付けられ、固く腫れあがる性器は内部に深く入り込み、激しく中を掻き乱す。本来、排泄の為に使用されるはずの穴が、何故こんなにも敏感に反応するのだろう。そんな考えも、絶頂へと上り詰めて行くにつれ理性と共に消え去り、俺は欲望の赴きに身を任せた。

「セックスって、やってる時はいいけど後始末が面倒だよな。」
カラカラと音を立てトイレットペーパーは慎の手に巻かれていく。ある程度の量を手に巻くと引き契り、自分の性器に付く精子を拭き取る。さっき中に出された精子が溢れだし太股に滴り落ちているのに気付いた俺は、慌ててトイレットペーパで自分の尻を拭いた。
トイレの個室に二人入るのはやはり狭かった。しかし、隠れて事を行うにはもってこいの場所だった。理科室付近のトイレなんて授業のついでに寄る生徒だけで、全ての授業が終わった放課後は誰も来ない。
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