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□跪くのは君だけ
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「リボーン……先生」
教師、リボーンが目を細め、眼光厳しく綱吉を見た
美形といえる顔が表情を殺し、まるで能面のように睨むと、まるで宗教画のような微動だしない美を思わす。が、同時に底知れぬ威圧されるような恐怖を感じるのだ。
リボーンは全身黒ずくめの魔法使いだ。その能力は魔法界でもトップクラスと謳われている。
そんな魔法使いが教師の授業はもちろんスパルタ。ダメツナには厳しい授業だ。けれどもリボーンの授業は年間授業で必修である。
受けないわけにはいかなかった。
「も、もちろん真剣にっ!」
「言い訳はいらねぇよ、口より力働かせ」
「……っ」
綱吉は「理不尽だ」と吐息だけで呟くと再び目を瞑った。そして詠唱し始めた。
小さな声だが、ハッキリと。
もう、なるようになれだった。
どう頑張っても自分に守護獣が召喚できそうになかった。
けれども、一魔法使いとして守護獣を召喚できなければならない。
なぜならば、魔法使いは必ず契約を交わした守護獣をもつという習わしがあるからだ。
魔法学園の二年生……、つまり、十四歳になった暁に魔法使いたちは守護獣召喚の儀を行う。
それはある意味本格的に魔法使いの修業が始まる草分けともいえた。魔法が使えないのは平民たちで、魔法が使えるのは貴族以上の者たちだけだ。
そう、綱吉は貴族なのだ。
そんな貴族の息子が魔法を使えないだなんて。しかも、守護獣を呼び出せなくて落第だなんて笑い話にもなりやしない。
綱吉はその白い額にふつふつと汗を吹き出させながら詠唱を続ける。