□March 4, 2009
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どこかに辿り着くこともなく

果てなく堕ちていく

支配しているのは

終わり無き浮遊感

果てなき重力

指先すら見えぬ真の闇

意味を持たない刻

最後に観た光景は

どこかで見覚えのある少年を

私が問い詰めている風景


鏡の破片を出しなさい


少年は口を真一文字に結び

頑なに意志の皺を浮かべ


鏡の破片を出しなさい


私は少年の肩をゆすろうと手を伸ばしかけた

声が聞こえその腕を後ろから掴まれた

その声に胸がつまりながら振り返った

眩い煌めき

再び果てない闇をただ堕ちていく

無限の重力に誘われ

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