□bathtub symphony
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湯船でぼんやりしていた

ただぼんやりしていた

窓が少し開いていた

何も考えなかった

浮かんでいる流木の如く



天井が何度も落ちてくる

何度も何度も落ちてくる

という妄想が離れなかった



蚊の羽音が煩かった

それ以外何も考えなかった




結局今夜もそうやって負けるのか

誰かが聴いているわけでもなく

ひとりごちた



ずいぶん昔

世界の果てが見えたら

物語の幕は閉じなきゃいけない

そんなことを真面目にかみしていた

誰かのことを思い出した

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