報いを求める君への24の提言

□ 報いを求める君への24の提言 10
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闘いの是非など論じる暇があるなら汗をかき種をまけ
御のが足で踏む大地を侵した毒にまみれあがけ
火の粉の街で老いた指導者の火が消えそうになると
全てのチャンネルが開き世界中の嘆きを扇動する
火の降る国で煙草売りの少年が家の前で身体をばらばらに巻き散らしても
この世には祖父くらいしか少年の最後を嘆く者は生き残っちゃいない

雑誌と酒瓶と無力感の転がる寝床からお送りします

何もかもあたりまえになる
手をつなぎ 心を近づけ 寄り添ったり
何もかもあたりまえになる
嘘をつき 裏切り 殴りかかる

ひすい色の瞳の少女は
ショッピングモールの入口で
七面鳥を買いに行ったママを待っていた
聖歌隊は唄ってた
主(あの方)の偉業と慈愛を
天使のごときハーモニー
主(あの方)は気まぐれか
少女の街に雷を落とされた
大統領は哀れみに声をふるわせ
『これは試練であり、挑戦だ』
と演説してみせた


この先はあまりに酷たらしく
あなたへの手紙にはとてもかけない
私の眠る営舎にも雷が幾つか降ってきたし
明日の朝食後私は正義の名の元に
償うことのできぬ罪を背負わなければならない
家へ帰る頃に私はまだ
人間でいられるだろうか

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