with you.
□2.
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オレは共同生活をする上で、いくつかのルールを決めた。
・家事は分担する
螢→フロそうじ、洗濯物をとりこむ & たたむ
オレ→それ以外 (何か不公平じゃね!?)
・食事はなるべく一緒にとる
→オレの仕事がないとき以外
・飛ぶ練習は、日が落ちてから夕食の時間まで
・何かあったら、恩田の携帯に電話する
→めんどくさいこと、その他もろもろ
これはそんなルールのもと、慣れない2人暮らしが始まって、2週間が過ぎたころのこと。
「ねぇ、潤。何読んでんの?」
夕食の後、ソファに座るオレの後から、螢が声をかけた。
「オレが載ってる雑誌。もらってきたんだよ」
螢に差し出したのは、映画のプロモーションで取材を受けたタウン誌。
「ふーん。プッ!何この顔ー!かっこつけちゃって」
螢が吹き出しながら言う。見ているのはオレのグラビアのページ。
「うるせーな!かっこつけんのがオレの仕事なの!笑うんなら見んじゃねぇ!!」
「ウソウソ!螢も見るー!!」
螢は隣に座った。
「“遊園地特集”だって。“遊園地”って何?おいしい?」
螢はまた相羽ちゃんの瞳になる。
「食いもんじゃねぇよ、バカ。遊園地ってのは、色んな乗り物があって、家族で行ったり、デートで行くとこだよ」
「へー!螢も行ってみたいなぁ〜。連れてってよ!!」
「やだよ!あんな人が多いとこ。第一、休みなんか取れるわけねぇだろ?」
「じゃあ、休みが取れたら連れてってくれる!?」
「もし取れたらな。あっ、もうこんな時間じゃねぇか。早く寝ろ!」
「はいはい」
「返事は1回!」
「はい!」
オレは寝室に入っていく螢の背中を見送った。