短い夜
□命
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余命1ヶ月。
そう聞いた時は驚いた。
信じられなかった。
いつも笑っているから。
苦しいのを我慢して笑っているから。
あぁ、そうか。
もう1ヶ月後には見えないんだ。
「大好きだよー」
と笑う顔も。
「どーしたの?」
と心配する顔も。
「ひどーい」
と怒る顔も。
もう傍にはいないんだ。
ポタリと滴が顎から地面に落ちる。
空からも落ちる。
俺の心からも。
ザー…
雨…
冷たい。
悲しい。
俺の心を表す雨。
止めやめヤメ…
お願いだから止んでくれ…
少年の涙は雨に混じって落ちていた。
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