短い夜

□無意識
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呆然とするアタシと君。



時間が止まったように動かない。






「は?おまッ、何言っ「今アタシ何つった!?」……は?」






君はよく話が分からないらしく顔を引きつらせる。



分からないのは当たり前だ。



アタシだって分からないんだから。






「ねぇ、今、アタシ、アンタに、す、す、す、好き…とか言わなかった?」



頭がグルグルする。






言おうとしていなかった。



いや、それ以前にアタシはコイツが好きなの?



そんなの知らなかった。



てか自覚なしで人告るとかアタシどんだけ馬鹿なのよ。






「…言った…と、思う」



君も同じく混乱していた。



アタシに好きと言われたことよりも、アタシが自分の言ったことが分からなくなっていることに混乱しているようだ。






「…アタシってアンタんこと好きなの?」



アタシは更に混乱する発言をした。



いや、だって本当に疑問なんだもん。






「いや、知らねーよ。なんだよ。遊びか?」



君は言う。






遊び?



うーん…違うと思うけど…



まぁ、アタシは君と幼なじみで一緒にいたから自覚してないだけなのかもしれないけど…



無意識にそんなこと言うってアタシ最強じゃね?



いやいや、でもなー…



「遊び、では、ない。と思う…?」






すんません。



自信ないです。






「…なぁ」



君は髪の毛をくしゃっとし、少し照れながら言った。



髪の毛をくしゃっとするのは恥ずかしい時の君の癖…だったっけ?






「何?」



もう諦めたアタシである。



だって考えたって分からないもんは分からないもん。






「俺はお前のこと好き。ぜってぇ守る」



君は突然言った。



アタシの顔は赤く染めあがり、鼓動ははやくなる。



心臓の音が外にもれてしまうんじゃないかというほど大きい音でなる。






「あ、アタシは「って言ったらどうする?」ふぇ?」



さっきの出来事を返された。



チクショー。



うぜーなオイ。






「お前がドキドキしたくらい俺もドキドキしたんだよ。覚えとけ」



…期待させるなってことでしょうか?



「…ばぁか」



アタシはそう言って頬を膨らませる。






「帰るぞー」



君は歩き出した。



アタシは置いてかれまいと後をついていく。






「…好きってんの強ち嘘じゃねーがな」






「え?」



君は真っ赤になりながらなんか言った。



しかし、アタシには聞き取れなかった。



確か好きがどうとか言ってましたよね?



なんだよそれ。






もっとデカい声で言えっての。



「今何て言った?」



「教えねーよ」



アタシ達はこんなふうにして帰ってった。






周りから見たらカップルみたいだったろーな。

















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