Nobel

□どっちだっていい
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犬夜叉と戦国時代で暮らすようになって、一年が経った。

犬夜叉と会えなかった三年間とは比べものにならないほどに、この一年間は充実していた。


でも何故か考えてしまう。
「今のあたし」と、「犬夜叉達とまだ旅をしていたころのあたし」……
どっちが幸せなんだろうって。

今は、奈落なんかと闘っていたころの事が嘘みたいに思えるほど平凡な毎日を過ごせている。
だけど、私はあれからとても大切なものを失った。
桔梗と―……現代にいる家族や友人。



どっちが幸せか―……なんて、選んだところでどうにでもならないし、悩む必要だって、考える必要だってない。
でも、なぜか考えてしまう………。

考え出すときりがない。
こっちの世界に来たことを後悔なんてしていない。
その気持ちは本物だ。
でも、むこうに残してきた家族やなにも知らない友人たちのことを思うと………………。

「あ〜あ!こんな事でウジウジしちゃって、バッカみたい!」

―…なんて独り言を言いながら立ち上がった瞬間………
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