淡雪。
□魔神が生まれた日
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揺れる向日葵。
耳に響き渡る蝉の声。
周りは木々に被われた山の中。
歳は10歳位だろうか、
2人の少年が駆けている。
その様子を感情の解らない氷の目で見つめる緑の髪の女−−
2人の少年は壁になっている土を登る。
しかし茶色の髪をした少年は軽々と登れたものの、黒髪に後ろ髪を真っ直ぐ切り揃えた少年はなかなか辿り着けない。
すると茶色の髪をした少年は手を差し出し、
2人は手と手を繋ぎ合う。
袖に向日葵の模様が施してある紺の着物を着ている女越しに、なんとか助け合い上まで登れたのが伺える。
やっと上に辿り着けた少年はがくっと膝に手を置き肩で浅い息を繰り返す。
が、次の瞬間2人の少年は何かに気付いた様に目を一点に集中させた。
2人の目の先には富士山の周りを飛ぶ
−−−−−無数の戦闘機
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