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□君の場所B
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その日を境に、俺は従順にトーニオに身を任せる事にした…
もう一生、ここから出られないのであれば、逆らっても意味の無いこと…
もし逆らい続けたとして、それが10代目のお命を脅かす事になるなら…
そうなる位なら…
こんな躯なんか、幾らでも差し出せる覚悟は出来ていた…
10代目の為に、みんなの為に…
山本の、為に…
俺は、大丈夫…
10代目や山本と過ごした思い出があるから…
もう二度と、二人と会うことは叶わないかもしれない…
でも、それでも、二人が無事ならそれでいい…
俺は、二人を思いながら…
ここで生きていくと決めたから…
「ひああああ…ああ…あ…やぁ…ん…はぁ…あ…も…イか、せ…ト…ニオ…ああ…ん…あ…あ…」
淫らに腰をくねらせ、乱れる俺をうっとりとした表情でトーニオは視姦していた。
「もう少し、我慢出来るでしょう隼人様?それとも…もう私が欲しいんですか?」
焦らすトーニオに、潤んだ瞳で訴えかければ男の喉が鳴り…
「そういう時はどうするか教えたでしょう?…さあ隼人様、可愛くお強請りしてみて下さい…」
欲しくなったら強請る、と教え込まれたこの躯は、素直にトーニオの要求するように強請り始めた…
ベッドヘッドに寄りかかり、両脚をM字に開いて孔をさらけ出し、その孔を自分の指でなぶりながら男を誘う…
プライドなんて…
欠片も持てない事を強要される…
「ふぁ…あ…ん…はぁ…あ…トー、ニオ…あ…ん…も…だ、め…あ…」
グチグチと自分で孔をなぶりながらトーニオを見つめると、まるで獣の雄のようなギラギラとした目つきで俺にのし掛かってきた…
「あなたは何処でそんな淫らで、厭らしい強請り方を覚えたんですか?でも、とても良く出来ましたよ…」
そう言いながら俺の中に入ってきて…
「ああっ…だめっ!!…ま、だ、ローターっ!!ああっ…あっ…あっ…やっ…あっ…やっ…ん…あっ」
ローターが入ってても侵入して来るトーニオはお構い無しに突き上げて、俺を乱していった…
「ひああああっ…あっ…だめっ…だめっ…あっ…ソコ…やだぁ…あっ…んっ…あっ…ああっ…や」
余りにも強い快感の波に飲まれそうになった俺は、トーニオにしがみ付きやり過ごそうと必死だった…
もうこの躯は男無しでは居られなくなっていた…
あの後、意識を飛ばしてしまったのか…
俺はベッドの中で眠っていて…
躯を見ると綺麗にされてて、恐らくトーニオが後始末をしてくれたのだろう…
俺の世話係と調教係と言っていたから…
今はそのトーニオの姿も無かった…
辺りを見回すと相変わらず薄暗くて…
蝋燭の灯りだけが頼りだった…
ここに連れてこられて、もうどの位経ったのか…
ここには勿論窓がない…
だから眩しい太陽も、淡い月明かりも入ってこない…
時計が無いから時間も判らない…
ここに来てからもう一週間位は経ったのか?それとも1ヶ月?
もしかしたらまだ1日経ってないのかもしれない…
もう、どの位時間が経ったのだろう…
あと…
どれ位の時間をここで過ごせばいいのだろう…
10代目…山本…
俺が日本に居ないこと、気が付いただろうか…
それとも…
俺の事は忘れて、いつも通りの生活を送っているのだろうか…
どっちにしても、もう会えない…
そこに、俺の居場所は無いのだから…
でも…
俺は忘れない…
みんなで過ごした楽しい日々を…
生まれて初めて出来た俺の居場所だった処を…
俺は絶対忘れない
日本に思いを馳せていると扉をノックする音が聞こえて…
ゆっくりと開く扉を見るとトーニオと、後ろにもう一つ影が見えた…
「おぉ…隼人。済まなかったね、全然顔を見に来てやれなくて…どうだ?ここの生活には慣れたか?」
そう言いながら頬を撫でる親父に吐き気がして震えが止まらなかった…
実の父親に犯されたという事が俺の心に深く突き刺さっていた…
そんな俺を気にする事もなく、お前に大事な話が有ると言ってきた…
「お前のお母さんの事だよ?」
かあさん?今更何を…
心の中でそう思い、親父から目を逸らしていると、顎を掴まれ強引に顔を向かせられ、何すんだ、そう言おうと思った瞬間
「母さんは事故じゃない…殺されたんだ…」
親父の口から出た言葉が理解出来なかった…
ころされた?
「犯人も分かっている…隼人…知りたいか?」
親父の言葉で我に帰り
「誰だ!!誰がお袋を!!」
そう叫びながら親父の胸倉を掴んでいた…
「クックッ…そんなに知りたいか?後悔…するなよ」
勿体ぶった言い方に腹が立ち、益々親父の胸倉を締め上げるとニヤ付いた表情で…
“お前だよ…”
そう呟いた…