短編夢

□白の帷と贈物
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レオナさんから仲介された仕事を片付け、家に向かう。

一応裏の人間なのに、耳が遠くなった老婦人の話相手が仕事とは。軽食までご馳走になって給料が頂けるのは申し訳ない気がする。

だがしっかりと食べ残したサンドイッチやらスコーンやらを包んで貰い、喜々として家に向かっていた。

「ただいまー」

ドアを開けば、いつもより多い人の気配。

同時に響く、クラッカーの音。

「MerryChristmas!!」

陽気に騒ぐ皆がいた。

「あ……」

「スラフ、ノリ悪い!」

「悪いって言われても……」

「駄目ですよ、スラフ君。イベントは楽しむだけ楽しんで、食いだめしておかないと」

「クラウンさん……アンタ、いつからそんな家庭的なキャラになったんですか?」

「僕は元からこうです」

隠し持つタッパーが見えた所で、脱力して近くの椅子に座る。

おそらくレオナさんとエスリンが用意したであろうご馳走は良い匂いだが、残念ながら小腹も空いていない状態だ。悔しい、サンドイッチを食べなければよかった。

少しだけうなだれていると、視界の隅で小さな手が俺のズボンを引っ張った。

「スラフ!」

笑顔のフランチェスカが、綺麗にラッピングされた小箱を差し出していた。

「はい、プレゼント」

「プレゼント……あぁ、悪い。俺、何も用意してないんだ」

「だろうと思った!あたしは良いけど、エスリンには何かあげなきゃダメだよ?」

「……へーい」

「スラフ君、僕からもプレゼントです」

「プレゼントって……この日本刀?」

「はい。実はセルゲイのコレクションの中で一番高価なんですけど、スラフ君になら喜んで差し上げます

「Σうおぉい!?駄目だよソレは!ホントにめちゃくちゃ高かったんだから!!」

「パパ、ケチくさいよー」

「良いかフランチェスカ……アレ一本でお城買えるんだぞ、お城!キャッスル!」

「お城なんて買っても住まないし。維持費の方が高いよ」

「現実的な所は母親そっくりだなチクショー!!」

セルゲイは五月蝿く騒いでいるが、とりあえず遠慮なく頂いておく。借金返済に役立ちそうだ。









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