Novel
□君の為に…
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やっと結ばれた…
大切で、とても愛おしい君と。
ずっと叶わない夢だと、半ば諦めていた。
何故なら君には未来永劫、運命で結ばれている相手がいるから。
俺の気持ちが、君を苦しめると分かっていたから。だから、ただ傍に居られれば、それだけで良かった。
…そぅ思っていたのに…。
君は、運命の相手が戻って来たというのに、俺の元へと来てくれた。
俺を選んでくれた。
最初の1ケ月くらいはもしかして夢なんじゃないかって、信じられなくて、毎回会う度に1番にキスをして何度も何度も君の温もりを確かめた。
ようやく、現実なんだと実感しだしたこの頃…。
日に日に愛しさは増していくばかりで、自分だけの腕の中へと閉じ込めたい…そんな独占欲でいっぱいになる。
「…や…星野っ!もぉ!ボーッとしちゃってどうしたの?」
「悪ぃ…あ、もぉ家か。」
「そうだよ!…それにしても毎日送ってくれなくても大丈夫なのに…。」
「俺が学校行ける時はちゃんと送るの!何かあってからじゃ遅いんだかんな?」
「…ありがと////じゃあ、また明日ね?////」
そぅ言うと恥ずかしがりながら瞳を閉じて、唇を軽く突き出してくる。
そんな姿が余計に可愛くて、抱きしめて、思いきり舌を絡ませる。
「んんっ…ふっ…」
「じゃあな!♪」
「せっ、星野ぁ〜!?////家の前なんだからぁ〜!!」
顔を真っ赤にして焦る姿が可愛くてつい、意地悪してしまう。
おだんごは顔を赤くしながら膨れっ面で家に入っていった。
それを確認して、俺も帰りだす。
…すると、俺の大嫌いなアイツが現れた。
「…お前っ!天王」
はるか!
「こんな所でがっついて、お前に送られた方が危ないな。」
「うるせぇ!何の用だ!?」
「彼女に二度と近づくな!」
「はぁ!?おだんごが俺を選んでくれたんだよ!衛さんだって分かってくれた、何で今更お前に言われなきゃなんねぇんだよっ!」
そうだ、こいつは前からずーっと、俺とおだんごの仲を邪魔してきやがる。
一体何なんだよ!?
「せつな。話してやってくれ。」
「はい。訳は私が話ましょう。」
天王はるかに呼ばれて、褐色の肌の女が出て来た。