Novel
□full moon
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ー会いたいー
こんなに月が綺麗な夜はどうしても思い出しちまうんだ…おだんご…。
目一杯光り輝いて夜空を明るくする。
たまたま部屋のベランダに出てみると、そこには真ん丸に輝く月が、すぐそこにあった。
手が届きそうなほど近くて、触れたくなる。
「おだんご…今頃何してんだろう?」
「珍しく何を物思いにふけっているんですか?」
「本当、似合わないよね。」
「うるせぇ!俺だって考え事くらいするんだよ!」
その台詞を聞いて大気も夜天も吹き出す。
かなり失礼だよな(怒)
「何がおかしいんだよ!?」
「だって…ねぇ?」
「どうせ、ここから月でも見上げて、月野に会いたいとか思ってたんでしょ?」
「なっ…!////何で分かるんだよっ!?」
「星野がそんな風になるのは彼女が原因しかないでしょう。」
だって…しょうがねぇじゃん。
俺の頭ん中はいつもおだんごの事しかねぇんだからさ。
あいつが笑顔だと俺も嬉しいし、元気がないと心配で気になって仕方がない。
「会いに行けばいいじゃん?」
「でも、夜だしさ…。」
「星野らしくありませんね。貴方はすぐ行動に出るタイプでしょう?」
「…そうだよな!行ってくる!」
大気に言われて、その通りだって、気がついた。
俺はいつだって自分の思うままに行動してきた。
それで後悔なんてした事もねぇし。
おだんごと、この月を、星を一緒に見たい。
「そろそろ寝ようかな?カーテン閉めなくちゃ。」
窓際へと行くパジャマ姿のうさぎ。
カーテンを閉めようとしたその時…。
「わぁ〜!綺麗な月〜!星も今日はよく見えてる♪」
思わず窓を開ける。
今の季節、まだまだ冷たい空気が部屋へと入ってくる。
「さすがに夜は冷えるなぁ〜。でも、もう少し見ていようかな。」
星野…何してるのかな?
最近お仕事忙しいみたいだし…。今頃、星野もどこかでこの夜空を見ているの?それとも、もぉ寝てる??
会いたいなぁ…
この綺麗な月と星を星野と一緒に見れたらなぁ…。
「…な〜んて!無理に決まってるよね!さてと、寝よう。」
窓を閉めようとしたら、何かが聞こえてきた。