キマグレSS部屋

□脱穀腐妄想日記−貴女のお好きなCPはいたのか?−
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「誰だ?この藁を縛った者は?ユルいぞ!」
「ちゃんと交互に5つずつ、4段積みだ!」
「縛った束は一度立てて頭を揃えるのだ!」

ここは聖域の端にある田んぼ。今日は黄金聖闘士総出で脱穀の日。

「あ、俺、軽トラ担当な!」
…カノンの奴、肉体労働を避けたな…。
サガは呟きながら「はざ」から稲を一束ずつ降ろし、脱穀機を操縦するデスマスクに渡している。デスマスクの脱穀機は快調に進む。その後、稲穂が取れた藁を束に縛るのが童虎、アイオロス、シュラ、アフロディーテ、アルデバラン、アイオリア、ミロ、カミュ。


「まったく…藁縛りが一番しんどいよな」
「あーあ、アイオリアの奴、縛り方が悪いって監督シオンにダメ出しされてるぞ」
「こんなもん、稲刈りの時にコンバインでやりゃあ良かったんだ」
「待て待て、これは女神が口にされる米じゃ、はざかけ米が基本であろう!」

皆が口々にぼやく中。
「ああカミュ、あまり肌を出すなよ、陽に焼ける。藁で擦り傷ができたら大変だ」
「えっ?大丈夫だミロ、少しくらい」
「ダメだ、ほら、お前の綺麗な髪に藁ボコりが…もういいからお前は休んでろ、後は俺がやるから」
「本当に大丈夫だから」
「無理するな、お前は大事な身体なんだから」


「何なんだあいつら〜!!」
「大事な身体って何だよ!?」
「デキちゃった新婚気取りか〜?」
「所構わずイチャつきやがって」
「ほう〜!若い者達は良いのう!羨ましい限りじゃ…」
「いえ老師、貴方も充分お若いです」
「よーし!じゃあ残り全部ミロに任せようぜ」

「…聞こえてるぞお前ら!だあれがお前らの分までやるか〜!!」
ミロの右手人差し指の爪が赤く伸びる。
「ミロの奴、爪を伸ばせば俺達がビビると思って」
「よせよせ、下手に構うと馬鹿を見るぞ」
「そうじゃ、お前達、人の事は気にせず手を動かすのじゃ」

「クシュン!」
「どうした?アフロディーテ」
「いや、ちょっとホコリが」
「お前も汗まみれで辛そうだな、デリケートっぽいし」
「いや、大丈夫だ」


そんな様子を見ていたデスマスクがおもむろに言った。
「サガ、あんたアフロディーテと代われや!」
「なにいっ?」
「お前サガのくせに一番楽なポジション取ってるんじゃねえ!」
「楽なのは貴様だろうが!」
「んだと〜!!いいからアフロディーテと代わってやれや!だいたいカノンの奴も楽しやがって、気にいらん」
「カノンは関係ないだろう!」

2人が胸ぐらを掴み合いになりそうになった時
「まあ待て!」
シオンの一声が響いた。
「アフロディーテよ、確かにそなたの泥にまみれた様子は痛々しい…それはそれでソソルものがあるが…いや、コホン!そなたには台所でお茶と御飯の用意をするように命ずる」
「なっ!」
アフロディーテは青ざめて言った。
「あんな人外魔境はいやです!」
「今、何と?」
しまった、口が滑った!
「いえ、シオン様、私はこう見えて室外が好きなのです。それに料理は得意ではありませんので…」
「ふむ…そうか、ならばサガよ、私の命令である、アフロディーテと交代しなさい」


その頃台所では…。
「ムウよ、その怪しげな液体は何だね?」
「ああ、シャカ、これは私が作った秘薬です」
「秘薬…とは?」
「まあ、精力剤のようなものです…今日は皆疲れますからね、早く元気になれるように。もっともまだ試験的な段階なので一人一人に違う量を試してみますよ」

そう言いながら妖しく光る紫色の液体を嬉しそうに見つめるムウ。一人一人の湯飲みに液体を垂らす。その中の「あいおりあ」の湯飲みに大量に入れられる液体を見て不覚にも戦慄を覚えるシャカだった。


そして田んぼ。
結局アフロディーテと交代して藁縛りをする羽目になったサガにアイオロスが話し掛ける。
「縛り方のコツを教えてあげるよ、明日筋肉痛になるといけないから今夜僕が君に愛のマッサージをしてあげるね」

「にっ!兄さん!!何て恥ずかしい事を青空の下で堂々と!」
アイオリアは、どうしても上手く縛れない藁と格闘しながら兄に毒付いた。
シオンにはダメ出しされ、ムウはシャカと台所で今頃何をしているのやら…頼みの兄さんはサガにべったり…。その時
「アイオリア、こうやって束にした藁に体重を掛けて…」
コツだけ伝えて黙々とアイオリアの横で藁を縛るシュラ。少ししてアイオリアの視線に気付く。
「何を見ている?」
「え?いや、ありがとう、シュラ」
真っ赤になった顔を見られまいと俯いてポツリと答えるアイオリアだった。
「さあ、もう少し頑張るぞ」
「そうだな、シュラ」


そして、1日が終わって夕食。
「終わったなー!」
「腹減った!」
「おおっ、ムウにシャカ、美味そうじゃのう!!」
「沢山食べるぞ!」
口々にそう言って席に着く黄金聖闘士達。
「今日一番頑張って縛ったのはアイオリアとシュラだったな」
シオンからそう言われて嬉しそうなアイオリアに、どうぞ、と言って湯飲みを手渡すムウ。
と、そこに遅れて入って来たアイオロス。
「アイオリア、聞いてくれ!サガの奴、酷いんだ」
「何?喧嘩でもしたのか?兄さん」
「俺がマッサージをしてやるって言っただけなのに、思い切り嫌がって部屋から追い出したんだ!夕食だって呼んでも出て来やしない」
「そりゃあ、昼間あんな事言ってれば嫌がるだろうさ」
「何だとー!お前はサガの肩を持つのか!?」
そう言ってアイオロスは弟の湯飲みを奪った。

「あああーっ!」
…それはムウの悲鳴と共にアイオロスに全て飲み干されたのだった。





こんな妄想をしていたらとても楽しく脱穀が終わりました♪
初めて長文を書きました不慣れな為読みにくかったかと思います。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!

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