学パロスペース
□白の午後
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白い柔らかな陽射しの中で、ムウは目を開けた。
白いカーテンと白いシーツの掛け布団。
一目で保健室のものとわかるそれらに囲まれて、ムウは横になっていた。
朝から確かに熱っぽかった。昼くらいになって本格的に頭が痛くなってきて、保健室に行った。
そして、保健医パンドラの指導で熱を測定すると、見事に微熱の領域。
帰宅してもよかったのだが、午後には外したくない授業がある。
よって、一時間ほど保健室で休んでいくことを選んだのだが。
「………先生」
「2人きりの時は名前で呼べと言ったであろう」
「あ、はい、すみません………。じゃなくてっ! どうして貴方がここに居るんです!?」
「かわいい恋人のことが心配でな」
「だからって………、どうして隣で寝ているんですか! 授業はどうしたんです」
「心配ない。自習にしてきた」
ムウは長いため息をついた。
「パンドラ先生は? いくらシオンでも、このような姿を見られては、立場が……」
「先生なら出張だ。抜かりはない。病人は安心して横になっているのだ」
「う………、では、そうさせていただきますけど……。あの……、この手はなんですか。何処触ってんですか!?」
「腰」
「ちょっ!? こんなところで……、や、やめてください……!」
「病人は大人しくしているのだ」
「ぁあっ……、いやぁ………」
―――パチン。
「あああ、良いところだったのに……」
「ここから先は有料だ」
「保健医っていいですわね…」