学パロスペース

□愛しい人は
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「あ、ミーノス先生……」

「お、ほんとだ」


学校は春休みに入り、仲の良いメンバーで勉強しに来たときだった。
廊下で遠目に見た、数学科の教師にして、恋人。


「……ミーノス先生…」


久々に見たその姿に目を離せなくなっていると、不意に見つめていた人物が振り返る。
彼はしっかりとルネの視線を奪うと、意味ありげに微笑み、その唇を開いた。


後で来なさい

「―――!?」

今のは……。
夢中になって見つめていると、隣にいた悪友たちに絡まれる。


「ルーネ、見とれてるのか?」

「ひゅー、熱いね〜」

「顔が真っ赤だぞ?」

「や……、」


元々色素の薄いルネの頬が、朱に染まる。


「やめなさい三人ともっ!
女子高生的なノリですか!!
勉強教えませんよ!?」


いつもルネに聞くばかりなのだ、この三人は……。


「先生とはどこまでいったんだ?」

「お、そっちも教えてくれるのか」

「教えるわけないじゃないですか」

「それは残念」





コンコン、と数学研究室のドアをノックすると、名乗る間もなく中から声がかかった。


「入りなさい」

「はい、失礼します」


デスクと、応接室のようなソファーとテーブル、そして本棚には大量の本や立体の模型がある。
デスクに向かっていたミーノス先生は振り返って微笑み立ち上がる。


「お待ちしていましたよ」

そのまま入り口の鍵をかけ、ソファーに落ち着く。


「貴方もお座りなさい」


そう言って示されたのは、先生の膝の上。


「……ですが」

「さあ、はやく」




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