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□03 接触
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ひとつ深呼吸して前の扉を開ける
ガラガラというスライドさせる独特の音が響き視線が集まるのを感じる
そのまま担任の横まで歩きクラスメートの方に向き直す
(テニス部2人…空席も2つ…か)
朝見た顔がふたつ有ることと空席を確認しながらぐるりとクラスを見る
(取り敢えずはこの感じならひとクラス2人は餌食になってる感じか。…麻薬で止まってれば良いけど…)
一度目を伏せてから顔を上げて口を開く
『塚本朔です。仕事の都合で来ました。宜しくお願いします』
ペコリと頭を下げて挨拶をすます
(あたしは仕事で此処に来た。あたしの仕事で、ね)
心の中でそう呟き担任の指定された席に向かう
席自体は真ん中の列の左側一番後ろ。で、右隣がテニス部のひとりだった
もうひとりは隣の列の後ろから3つ目。空席は廊下側の列の前から2番目と窓側真ん中
観察を続けながら席にたどり着いて席に着く
「僕は不二周助。宜しくね」
『ん。隣宜しく、不二』
不二に挨拶を返し、取り合えず一息を着く。回りはあたしに興味津々な感じでこっちを見ている
あたしは気に留めないで、これからどう行動しようかと考えようとした時にまた不二が口を開く
「塚本さんって朝、テニス部見て行った?」
あたしはちょっと驚いて反応が鈍る。それでも平然を装って微笑みながら『そうだよ』と答える
まあ、考えれば見た事のない女子から転入生に繋がってあたしに来るだろうとは予想してた
でも、予想していたより早い。つまり、頭の回転力はあるってこと
あたしは答えたあと微笑みながら少し間を空けて言葉を紡ぐ
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