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□12 呼出
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『ん?』
4時間目の体育が終わり、靴箱に靴を戻していると紙が落ちる。
それを見て思わず口角が上がる。
(ああ、なんて古典的な。)
拾い上げて中身を確認すれば、思ったとおりの内容。
昼休み、屋上。
のみの手紙。いや、果たし状か。
わかりやすい行動に、口角を上げながら着替え終えて屋上に向かった。
屋上に着くと見たことのある女の子とその他大勢。
女いわく、今井はにやりと笑う。
「よくぅ、逃げずにぃ、来たねぇ〜!」
『逃げる理由がない。』
「そっかぁ〜。まあ、来てくれてぇ、千春嬉しいよぉ?」
『そ?で、用件は?』
「えっと〜、千春ぅ昨日ムカついちゃったからぁ〜優しいみんなにぃ、朔センパイをいたぶって貰おうと思ってぇ〜。」
大勢は、殆ど男子。
でも全員共通点は一緒、目の焦点があってない。
それはつまり、
『どうやってこんな人数集めたんだ?』
「簡単よぉ。朔センパイを倒せば【コレ】あげるって言えばいいだけなんだもん!」
【コレ】といって取り出したのは、真っ白な粉。
それは、探してた…
『麻薬、だな。』
「ピンポーン、あったりぃ〜〜、じゃあやられちゃってねぇセンパイ。千春今から桃くんとご飯だからぁ〜。」
『ひとつ、桃城にも麻薬使ってんのか?』
「ええ?桃くんがこんなんなっちゃったら千春ヤダもん。使ってないしぃ。」
『そ、ならいいや。』
「じゃ、ゴユックリ。朔センパイ。」
そう言って、今井は屋上から姿を消した。
それと同時に録るのも止める。
着々と証拠は集まっている。それにしても…
(ラッキー!自分からボロ出してくれちゃって。それでもマフィアかっつーの!)
あまりの能無しに、口角が上がりっぱなしだ。
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