野球、しようよ!
□第00球
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中学、あまり良い思い出はない
寧ろ、中学には嫌な思い出がある
あの学校が好きじゃなかった
あの野球部が好きじゃなかった
廉に酷い思い出を植え付けたから
私にこんな思いをさせたから
でも一番好きじゃないのは、嫌いなのは、私自身だった
本当に嫌な思いをしたのは、廉なのに
その廉から逃げた自分が、大嫌いだった
守れなかった自分が大嫌いだった
廉は自分が悪いと言い続けた
私は周りが悪いと言い続けた
【周り】には【私】も入っているのに
結果、私も廉も高校は外部を受けた
本当は向き合わなくちゃいけないのはわかってた
でも、【逃げない】ために【離れる】ことを決めた
それを【逃げてる】と言われればそれまでだったけど、家族は何も言わなかった
そして今、私と廉は西浦高校の校門をくぐった
(私たちは、)
(変わることを望みました)
(前に進むことを決めました)