□25 氷帝
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『…どこ、ここ。』

「アーン?部室に行くっつたろーが。」

「認めたくないのは判るんやけど、ここが氷帝の部室やで?」

『デカ、部室デカ!』

「普通だろ?」

『…こいつは馬鹿だ。アホだ。金持ちだー。』

「ちょ朔、最後の何の悪口にもなってないで。」




扉を開けて中に入る。

隣にいた跡部も忍足も中に入り、後ろについて来ていたレギュラーも中に入る。


(来るまでにレギュラーに名前を聞いた。)


それを確認して扉が閉まり、あたしは振り返って彼らと対面する。




『さて、と…まずは挨拶か?…改めまして、青学男子テニス部マネージャーの塚本朔。名前で構わない。』

「…青学の、マネージャー…だ、と?」

『イエス。まあ、よろしく。そこについては深く話すこともない。成り行きで、な。』

「アーン?」

『まあ、口を挟まずに聞け。今回あたしが来たのに目的が2つ、ひとつは合同合宿について、そしてもうひとつ協力して欲しい事があるからだ。』

「協力だあ?」

『ああ、これが最大の目的。今井千春を締める、その協力だ。』

「いまい、ちはる?」

「あ、俺知っとるわ。」




ほぼあたしの跡部の会話になっていたところに、忍足が口を開く。

後ろの2年ズも何かを知っているような顔だった。




「1度テニス部のマネージャーをしたいって言いに来た子や。…そんなんしょっちゅうで名前しか覚えてへんけどな。」

「んな奴、俺様は知らねェ。」

『知らないんじゃなくて、お前は覚えてないだけだろ。』

「おん。その時跡部いたで?」

「俺も知ってます。」
「俺もです。」
「ウス。」




更に口を開いたのは、やっぱり学年の同じ2年たち。

そちらを見て『話して。』と告げると鳳と日吉が口を開いた。




「俺は隣のクラスでした。」

「俺は噂で。可愛いとか言われてたみたいですけど、有り得ない。化粧の力は凄いですね。」

『やっべ、毒舌。…違う奴思い出したー…』




日吉の話し方に、ある友人を思い出す。

思い出して話の内容的に、少し噴出しそうだった。


(毒舌で丁寧語、て……骸みてぇ…)







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