☆
□25 氷帝
1ページ/4ページ
『…どこ、ここ。』
「アーン?部室に行くっつたろーが。」
「認めたくないのは判るんやけど、ここが氷帝の部室やで?」
『デカ、部室デカ!』
「普通だろ?」
『…こいつは馬鹿だ。アホだ。金持ちだー。』
「ちょ朔、最後の何の悪口にもなってないで。」
扉を開けて中に入る。
隣にいた跡部も忍足も中に入り、後ろについて来ていたレギュラーも中に入る。
(来るまでにレギュラーに名前を聞いた。)
それを確認して扉が閉まり、あたしは振り返って彼らと対面する。
『さて、と…まずは挨拶か?…改めまして、青学男子テニス部マネージャーの塚本朔。名前で構わない。』
「…青学の、マネージャー…だ、と?」
『イエス。まあ、よろしく。そこについては深く話すこともない。成り行きで、な。』
「アーン?」
『まあ、口を挟まずに聞け。今回あたしが来たのに目的が2つ、ひとつは合同合宿について、そしてもうひとつ協力して欲しい事があるからだ。』
「協力だあ?」
『ああ、これが最大の目的。今井千春を締める、その協力だ。』
「いまい、ちはる?」
「あ、俺知っとるわ。」
ほぼあたしの跡部の会話になっていたところに、忍足が口を開く。
後ろの2年ズも何かを知っているような顔だった。
「1度テニス部のマネージャーをしたいって言いに来た子や。…そんなんしょっちゅうで名前しか覚えてへんけどな。」
「んな奴、俺様は知らねェ。」
『知らないんじゃなくて、お前は覚えてないだけだろ。』
「おん。その時跡部いたで?」
「俺も知ってます。」
「俺もです。」
「ウス。」
更に口を開いたのは、やっぱり学年の同じ2年たち。
そちらを見て『話して。』と告げると鳳と日吉が口を開いた。
「俺は隣のクラスでした。」
「俺は噂で。可愛いとか言われてたみたいですけど、有り得ない。化粧の力は凄いですね。」
『やっべ、毒舌。…違う奴思い出したー…』
日吉の話し方に、ある友人を思い出す。
思い出して話の内容的に、少し噴出しそうだった。
(毒舌で丁寧語、て……骸みてぇ…)
!