□36 飲物
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説明しておこう!

ヴァリアー邸にはテニスコート3面1組のものが3つある。

というか1日でそれを作らせた、が正しい。それで出来てしまうのがヴァリアークウォリティー。

一番左からAと名前をつけ、全部でA〜Iまでのコートがある。

部長達は昼後、各校マネージャーを含めた全員をまた朝と同じように整列させる。

景吾は一歩前に出て資料に目を落とししながら口を開いた。




「これからまず各校でアップをしてもらうぜ。コートはA〜Cを青学、D〜Fが氷帝、J〜Iが立海とする。」

「2時半になったら同時休憩を入れて10分後に今の自分の力量を測るために団体戦をやるからね。」

「各自ベストコンディションを作って置くように。それまでは各校の方針で練習してくれ。」




精市に国光の言葉に全員が返事を返して各校指定されたコートに散らばっていく。

その中で景吾が「マネージャー集合!」と声をかけた。

その声に反応してあたしは桜乃と朋香を連れて景吾に近寄る。加奈を聞こえたらしく直ぐに駆け足で駆け寄ってくる。

問題の今井はあんなに大きな声をかけたのに桃城たちとの会話に花を咲かせて聞こえてない。

景吾は顔を思いっきり顰めて、さっきよりも声を低くして今井を呼んだ。

今井はそのことにやっとい付いたらしく1.2言奴らと言葉を交わすとやっぱりあのぶりっ子走りで駆け寄ってきた。




「す、すいませぇ〜ん!ちょっとぉみんなとぉお話してましたぁ…」

「「「…(キモッ)」」」

『(ははは、みんな顔に出すぎだよー。確かにごっさキモイけど。)』




可愛いと思ってやってるのか語尾を延ばしながら上目使いというキモイ王道を使って覗き込むように見る今井。

それに全員が口元を引きつらせながら曖昧に目を逸らして回避した。

それを見て今井はニヤリと笑う。


(落ちた、と思ってんのか?…馬鹿を通り越して呆れんな…)


その様子を横目でちらりと見てから景吾に話を進めるように合図する。

景吾はそれに小さく頷いて、咳払いをひとつしてから出来るだけ今井から目を遠ざけてあたしを見るようにして口を開く。




「マネージャーには各校に分かれて仕事をしてもらう。立海にはそのマネージャー清水。青学は今井、竜崎と小坂田。氷帝にはマネージャーがいねぇ、朔に頼む。」

『りょーかい。』「わかりましたわ。」「「はい!」」
「(ちっ、アイツにやらせられないじゃないの。まあいいわ、1年ふたりにやらせれば。)わっかりましたあ〜。」

「仕事についてだけど、ドリンク タオル 洗濯 掃除 球拾い スコア付け 怪我の治療に食事作りが妥当だと思うけど頼めるかい?」

『楽勝。』「同じく。」「「が、頑張ります。」」
「(そんなにあるわけ!?出来るわけ無いじゃないの…)大丈夫でぇすぅ!」




話をあわせるように語尾を延ばす、今井。その心はダダ漏れで読心術が上手いとはいえないあたしでも読める。

それほど今井は仕事が出来ない、上に彼らにはいい所を見せたいらしい。

国光が「では、頼んだ。」といったのと同時に各自がバラバラに動き出し、それを見て護衛係も各自に分かれた。









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