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「お願い!」
『えっと…』
ども、あやかです。
先日(金曜日/08の日)に専門委員会があってやっと委員の顔を覚えました。
で、休日を挟んで月曜の朝。
確か隣のクラスの図書委員である子が私に頭を下げています。
簡単に言うと、用事があるから当番を代わって欲しいということだった。
あやかは目を泳がせた後その子ににっこり微笑んで口を開く。
『わかりました。今日の放課後だけでいいんですよね。引き受けます。』
「本当!?ありがとう。助かるよ。本当にありがとうね。じゃあ。」
『はい、では。』
特に用事もない、家に早く帰らなくてはいけない理由もない。
そもそも帰ってもひとりであるから寧ろ暇だった。
図書室で宿題を終わらせたり、本読んだり出来ることはあやかにとって好都合だった。
それに、“彼女”に会うことも出来る。
あやかにとってはそちらの方が嬉しかったかもしれなかった。
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『なっちゃん先生います?』
そおっと図書室にカウンターの奥にある司書室を開けて中を覗く。
きょろきょろ見ると椅子に座る彼女がこちらを見て微笑んだ。
「あら、あやかちゃんじゃない。ん?でも今日は貴方の担当の日じゃないわよね?」
『代わって欲しいって言われたので、代わってあげたんです。』
「そう、そんなところに居ないで中に入ってきて?」
にこりと微笑んでなっちゃん先生、こと野嵩捺(のたか なつ)先生は手招きした。
その口にはチュッパチャップスであろう棒付き飴が入っている。
彼女は23歳、新任の図書館司書の先生。歳が近く人懐っこい笑顔から生徒に慕われている。
更に彼女自身も仲良くなるよう自分を呼ぶときは“なっちゃん”と呼ばせ、自分も生徒の名前を呼んでいる。
その手招きに連れられて失礼します、と中に入る。
にこにこと微笑んだままのなっちゃん先生に近寄った。
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