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□40 団欒
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テニスコートのフェンスに寄りかかっている恭弥のもとへと駆け足で近づく。
近くにはあたしが動いたことでボンゴレが集合状態で集まっている。
コレだけの人数だ、群れるのが嫌いな恭弥にとっては結構我慢してる。
『きょーちゃん。ここから離れようか。』
「苛々してるのに…余程咬み殺されたいようだね、朔?」
『まさか!冗談。夕食作りに行くからそっちの方が楽かと思ったんだよ。恭弥ベル綱吉以外は役割を続けてくれ。』
「「「わかった。」」」
返事を貰ってから3人を引き連れて、ヴァリアー邸の厨房へと向う。
ちらりと振り返れば早速、景吾や精市が今井の餌食になっているのが見えて合掌した。
厨房へ向う廊下でワザとらしく手を叩いて軽く振り返る。
『そーだ、夕食何食べたい?』
「王子、肉!」「ハンバーグ。」「えっと、バランス良ければ何でも。」
『綱吉以外は即答の単語かい。んーハンバーグね、ベルもおーけー?』
「肉なら何でもいーし。」
んじゃ、ハンバーグにしよう。そう言った時に厨房について中に入る。
そこは、うん。やっぱり広かった。おまけに凄く綺麗に掃除されている。
よし、と早速腕まくりをして手を洗い、食材と道具を引っ張り出してくる。
まずは玉葱をみじん切りにして狐色にまで焼くところからテキパキとこなしだす。
『手伝いは…やる気ゼロだね、君たち。』
「何?朔には必要ないでしょ。」
「王子はそんなことしねーもん。」
『即答って、判ってたことだけどね。綱吉、悪いけど食器だけ出してくれる?』
「勿論。人数分だから…意外と大変だね。」
『ファイト!』
その辺に合った椅子に座って足を組んでどっぷり動く気ありませんオーラを出す我が侭2トップ。
まあ、期待していた訳でもないので突っ込んだ後は綱吉に食器を任せて料理に取り掛かる。
選手なわけだからボリュームやら栄養バランスを考えて忙しなく厨房を動き回る。
ご飯にメインのハンバーグ、スープに野菜 デザートまで時間を見ながら要領よくこなして。
そして約1時間後。
『で、出来た…』
「んーうまそ!」「…流石じゃないの?」
「この量を本当にひとりで作っちゃったよ…凄いな、朔。」
『褒め言葉ありがと。でもまあ…流石に疲れた…』
食事のために用意した部屋には机と椅子が用意してある。
その机の上には完成したばかりの料理が既にセットされている。
それを作ったのは朔で運んだのは主に綱吉。我が侭2人は結局手伝わなかった。
はあーっと片づけを終えて座ったままの恭弥の背もたれに座り体重をかけて寄りかかった。
そうして1分もしないうちに廊下が煩くなりどたどたと此処に近づいて来る音が響いた。
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