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□49 任務終了
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『全員、講堂へ集まれ。潮時だ、何もかもな。』




朔のその言葉に仲間の全員が、コクリと頷き、講堂へ。

青学は、戸惑いながらも彼等の後について講堂へ向かう。

あたしは今井の腕を持ち、半ば無理やり立たせて講堂へと入る。

全員が入ったのを確認してから、今井を突き飛ばすように床へ放り出す。




「いたっ…何するのよ!」

『地が出てるぜ、今井。』




そういえば、殺気により落ち着いたのか、ハッとした表情で口元を押さえる。

周りを伺えば全員が、倒れこんだ今井を探るように見ていた。




『何もかも終いにする。まずはオレに対するイジメだが、オレが今井をでは無く、今井がオレ…というより桜乃と朋香及び加奈を苛めていたが正しい。』

「「「!」」」

「な、なんでぇっ、違うよぉ!」

『今更遅い、悪いが全て編集させてもらった。リボーン。』

「ああ、前のスクリーンを見ろ!」




そう言って映し出されたのは、今までの今井のイジメの決定的証拠。

写真、映像、録音音声。

青学の顔が動揺の色に変わっていく。それは確かな焦り。

自分たちが振るってしまった体裁と言う名の暴力を、認めなければならない恐怖。




「う、嘘だ!作り物に決まってる!」

『そーゆーと思ってさ。はい、これ。』




朔の手からリボーンに渡る一枚のDVD

それに写っていたのは、二日前のドリンク事件。




「あー、みなさんじゃないですかあ…丁度良いとこにいるじゃないの。」
『なにか、用?今井。』
「ふふ、あははっ。そんな態度とっていいの?千春が叫んで泣けば今度はアンタだけじゃなくて他の子も殴られちゃうのに?」
『それはどうかな?決まってないだろ、そんなこと。』
「っギリッ、ホントアンタ程ムカつくやつは初めてよ!」
『褒め言葉として貰う。』
「あーウザ。そんなに余裕ならやってやるわよ!吠えずらかいたって知らないんだから!
きゃぁぁあああああ!!
「またテメェかァア!塚本!」
「お前の確立100%だ!」
『確立100%とか有り得ないってーの。計算してないのと同じだ。そういうのは決め付けって言うんだよ。』
「朔先輩大丈夫っすか。」
『あ、リョーマ。大丈夫まだ言い合いの場面だからー。』
「あの、さっきの悲鳴なんなんスか?」
「つかこれは何の騒ぎなのか言ってミソ!」
「こいつが千春に暴力振るってんだよ!」
「暴力?それは事実か、朔。」
『まさか。触りたくも無い。』
「「「なっ。」」」
「そんなことだろうと思ったんだよぃ。」
「「「え?」」」


『これでどーよ?オレの声、今井の声は勿論。テメーらの声もこっちの仲間の声も、一字一句間違ってねェ。入ってくるタイミングも順番も間違っちゃいねェ。それはテメェが一番よく判るだろ?』




映像はマネージャー室に仕掛けてあった監視カメラの映像。

ここはヴァリアー邸。こんなことは朝飯前に出来る。

事実しか示さないその証拠に、黙り込むしかない青学。

それに今井は顔を下げる。そしてさっきと同じように狂ったように笑う。










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