Clap Novel

□幸せになってください
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「わービューティフルです!!」

「うん。とっても似合ってる。」

「えへへ///ありがとう。」


そういって今日のヒロインは幸せそうに笑った。


「「おめでとう、京子。」」


笹川京子は満面の笑みでもう一度ありがとうといった。

彼女はいま真っ白な、純白のドレスに身をまとっている。

そう、綺麗なウェディングドレスを着ている。

今日は結婚式だ、京ちゃんとつな君の。

嗚呼、こんなにも嬉しいのに……

こんなにも哀しく悔しく憎たらしい……

京ちゃんがとても、羨ましくてたまらない。

あたしはつな君がすきだから、過去形に出来ない位に今も……

知り合ったのも好きになったのもあたしが先だった、

だけど、つな君はあたしに振り向いてはくれないであの日紹介した京ちゃんだけを好きになって……

カッコ良くなったつな君に京ちゃんが気づいてしまった、

ずっと想い続けていたつな君と京ちゃんは当たり前のように付き合いだした。

ひとりあたしは取り残された、

ずっと一緒に居たはずだった

笑いあって好きで、たとえ今京ちゃんを好きでも、いつか振り向いてくれるって想ってた。

だけど現実は残酷で、京ちゃんがあたしの大切なものを奪っちゃった、

それでもあたしは京ちゃんの友達で、つな君の親友だったから、

ただ笑って、喜んでお祝いして、自分の心を偽った。

自分のつな君への気持ちも、京ちゃんに湧いた醜い思いも

隠して、潰して、殺して、失くして……

でも、どちらの気持ちも潰すこと失くすこと出来ないで……

ひとり、泣いて泣いて、恨んで醜い心が疼いて、そんなことを想う自分が嫌になる、

だけど、あたしの思いを知らない二人を見るとまた込み上げて、

また、繰り返す

気持ちも心も行動も廻る、まわる





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