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「ね、あやかは誰が好き?」




私たちが通う学校が終わり、私は親友と久々にそれぞれの部活がない帰り道を楽しんでいた。

そしてにこにこと微笑んだ親友が私の答えを待ち望むようにこっちを見ていた。




『何のはなし?』

「テニプリだよ、久々に一巻から読んだんだぁ。で、誰がすき?」

『ふーん、えと、あれだよ、立海大付属。』

「ん、なんで?」

『…インパクトがあったか、ら…?』




歩きながら(私にとっては)どうでもいいテニプリの話をする。

親友は、いや、聞き返されても。と小さく笑い、そこから見始めたからでしょと理由を突かれた。

だから私も、当たり前じゃん。と笑いで誤魔化しながら親友を怒らせないように装う。




「開き直らないの!キャラは居ないの?」

『あー、あの、あれだよ、リョーヤ?』

「リョーマね、リョーマ。なんで?」

『主人公だから』




ばっさりと言い切ると親友は苦笑して私を見た。

わざとボケたわけではない序でにリョーマをチョイスした理由も特にない。

リョーマは確かにすごいと思う私より下なのに全米デビューとかねぇ。

でもそこは漫画だ。他人事だし存在さえしないし…。

つまり私はあまり漫画には興味はない。

色々と親友から叩き込まれるようにして、キャラのあれこれや、話を聞いているから多少は判る、その程度だ。




「そんなんばっかじゃん、あやか。他にいる?」

『好きってか、デン太とにのには会ってみたい。』

「ブン太と仁王ね。やっぱり口調で、みたいな?」

『そうだよ、あさみは誰がすきなの?』

「え、皆好きだよ?」




聞いてやってちょっと後悔した。

親友は特に悪気はないみたいでニコニコと笑って私を見つめる。




『答えになってませんけどー?寧ろ私より酷いよ。』

「えー、だって皆凄いし格好良いもん。」

『特にこのキャラが好きとかいないの?』

「んー、桃ちゃんとかって友達に居てほしいタイプだよね。」

『あぁ、あいつかぁ。うん、酷く五月蝿くなりそうだから私はパス。』

「現実的だね、あとユキムラくん。」

『(なぜにカタカナ)…あの病気だったやつ?』

「うん、綺麗だよね。でもちょっと取っ付きにくそうだよねー。」

『そうだね、あれはめんどくさそうな匂いをかもし出してるよ。』

「う"…やだなぁ、でもいちばんはね!」

『いるんじゃん。』

「う、うるさい!いちばんは蔵!」

『え、なんで?』

「だって聖書なんだよ!凄いし格好良いもん。」

『まぁ、わからなくもないけど…意外かなって。』

「んー?」

『否、だって四天だったら…えーと、従兄弟とかピアスとかノッポとかにお熱じゃなかった?』

「本当に名前を覚えてないんだね…。謙也と光と千歳だよ。とにかく結局みんな好きになっちゃうんだよねー。」

『そっか、あ、もう分かれ道だ。』





私の家とあさみの家は大通りで反対側にある。

だから自然とその大通りで別れる。




「ホントだ、じゃ、また明日ね!」

『バカ!前見なさっ!?危ない!!』

「えっ!」











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