□03
2ページ/3ページ







『うわっ!?』

「げっ!」




そのままの体勢でぼーっと立ち尽くしていた私に何かの衝撃が私を襲う。

思わず私は声を上げて前のめりになり壁に激突しそうになって思わず目をつぶって次にくる痛みに備えた。

が、その前に誰かに腕を引かれて今度は後ろによろけてしまった。




『ちょ、あ、ありがと。』

「アンタ、んなとこでぼーっとしてんなよな!」

『ハァ?君こそ人にぶつかっといてそれないんじゃない?それより先に言うことあるでしょ。』




ぶつかってきた方を見れば立海大付属2年レギュラー、切原赤也。

確かめずに怒鳴ってしまった自分に冷や汗が出たが彼の態度にカチンときた私の口は止まらなかった。




「なんだアンタ…わっけわかんねぇ、ってヤベッ!部長に走らされる!!」

『こら!待て!』




走りだしてしまった彼に声をかけるが、止まる様子もなく学校へ入っていった。

きっと今からテニス部の練習があるんだろう。

私が彼を追い掛けようとした時ピピピピピピ…という携帯電話の音に止められた。

慌てて身体中を探す。その時ふと気付いたが服は元の高校の制服だった。

それはここに存在しない他校の制服。思わず苦笑と共に感じたのは違和感。

…そんなことを考えながら探せば胸ポケットに入っていた。

それを取り出す。確かめれば知らないアドレスからのメール。

受信ボックスから開けば一目で誰からのメールかわかった、てか判りやす過ぎだった。




《おん、焔や。そろそろあやかの頭が悲鳴をあげる頃やと思ったからメールしたで。

いつのまにアドレスを手に入れたん!?とか思うかもしれへんけど、そこは秘密や。

んでなんでいきなりメールしたかという理由やけど、自分の住む家を教えようと思ったからや。

住む家なきゃ生きてけへんからな!んで住む家は地図を添付しておいたから、それ見ていくんがええ。

じゃ、家に着いたらまたこっちから電話するわ。

PS最近の携帯電話の機能は凄いんやな!》




『…えっと取り敢えず、なんだコレ。ツッコミ処が満載なんだけど。』




ふうとため息をつくけど顔が綻んでいるのを感じて自分に苦笑した。

添付ファイルから写真を選択して開くが…。




『…なに、これ?』




今どきこんな地図送るか普通…手書きって、しかも宝の地図みたくなってる。

なんか略し過ぎで見づらいし汚いし。はあ、とため息をついてしょうがないから何とか解読して向かうしかない。

せめてもうちょっと目印とか欲しいとか言うのは我侭だろうか?














!
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ