□01 下見
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あちゃー、忘れってたー。何処だよ、職員室

職員室で転校認めてもらって、んでクラス教えてもらわなきゃじゃん

取り合えず学校入るとこ見付けねーと…話はそれか、らっ!




どんっ

『うわっ!ゴメンよ、少年』

「…別に」

『あ、少年』




角を曲がろうとした時に人にぶつかる

悪いと謝って少年を見たら思わず呼び止めてしまった

人を寄せ付けなさそうな感じが恭弥になんだか似ていて

それでも人を寄せ付ける何かを持っている綱吉と似ていて




「…なんスか」

『あ、いや…なんでもな…いこともない』

「…どっちっスか」

『…職員室ってどっち?』

「―――…あっち」

『なるほどーありがとーじゃあ、また』




(そう。…また、今度。否、また後で、かな?)



それだけ言って彼が指差した方へ歩き出す

しばらく彼の視線を感じたが彼もまた歩き出したのを感じた

彼の背中のバックとジャージ他からみて彼もまたテニス部なんだろう

それならばまた会う、どうせまた会う

それは、きっと早くに、ね



(…あ、今度は名前を聞くの忘れちゃった…)



まあ、いっか、どうせまた会うんだしと、足を止めることはない



(それに…)



あたしは振り返ることなく後ろに意識を持っていく

そこにはひとり、人の気配

気持ち悪い目つきで見て来る、この感じから見て女、かな

どうやら、戦場みたいだね



…ここも、さ







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