□05 対面
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『どうも、レギュラーの皆様。どうぞこれから宜しくお願い致します』




どうしよう、どうしよう。なんて頭ではパニック状態でも表情に出さないのがマフィア

それもヒットマンなら当たり前。そんなことは当の昔に慣れた

焦りながらも、そう言葉にした自分に拍手を送りたい気持ちになりながら取り合えずお辞儀をしとく


(まあ、今のこの状態なら【宜しくお願いしたい】のは【レギュラーの皆様】だけなんだけど)


笑顔が崩れかけてる、女。あの視線と【同じ】この感覚

間違いなかった。あの時あたしに殺気を向けていたのは、コイツ

あたしは笑顔を崩さずにニコニコするだけ。さあて、何から言おうか迷ってたら他が口を開いた




「え、え?転入生で、宜しく?って…じゃあ君が朝の!」

『あれ、あたしそんなに有名でした?目立ってました?んな噂になるようなことした?』

「いや、怪我見ただけで当てたら目立つでしょ」

『あ、朝の少年』



質問に答えるだけ答えたら少年発見。『朝はありがとう』とお礼を言っとく

少年も淡白に「どういたしまして」とだけ返した。


(うーん。この辺は恭弥っぽいのな。でも…)


少年を見つけると菊丸が「おっちびー」と叫びながら飛びつくのを見た

ちょっとした悲鳴が上がったけど大丈夫か。少年潰れてなきゃいいけど


(人を引きつけるのは、綱吉っぽいかァ…)


悶々と考えていたら隣に手塚部長が立ち、パンと一度手を叩いた

するとみんなが話を止めて此方を向く

流石部長。というところか。扱いに慣れてる




「塚本、まず名を名乗らんか」

『あ、忘れてた。改めて、塚本朔。男子テニス部にマネージャーに誘われたので受諾いたしましたー』

「と、言う訳だ。塚本には朝皆で決めた通りマネージャー協力を申し出て受けて貰った所存だ。異論は無いな」




名乗るの忘れるって…初歩的ミスだ。失敗失敗。手塚のその言葉に誰も意見することなくあたしのマネは決定した

空いていた部分に不二と菊丸の間で輪に加わる

あたしは恐る恐る手を上げて『そちらの自己紹介もお願いします』と声を小さくしていった

それには皆、ああと了解をしてくれたのでちゃんと紹介してもらえるようだ


(ああ、よかった。否定されたらどうしようかと…)






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