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□18 出迎
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『…相変わらず居心地悪ぃーの。』
「まあ、そうだね。」
クラスに入れば、無言があって次に暴言が跳ぶ。
そんなことに臆するわけないので、無視状態で席に着く。
余程、殺気が怖かったのかあれから机への被害は何もない。
隣は周助だから、特に被害もないし、ただ菊丸の視線だけは感じてた。
疑うような、哀しみのような、寂しさのような、全てが入り混じった視線。
どうしようか、なんて思ってたところに、イヤーな会話が耳に入る。
「!ねぇねぇ、あの校門に居る男の子カッコよくない!?」
「どれどれ?あ、あの黒髪と茶髪?ホントだ、黒髪の方はカッコいいし茶髪の方は可愛い系だね!!」
「あれ、あの茶髪くんの制服って隣町の学校のじゃない?でも、何で隣の子は学ランなんだろうね?」
「でも、そこがカッコよくない!?」
「わかる〜〜っ!!」
ガタンッ
『……』
「?朔?」
思わず席から立ち上がる、周助は急に立ち上がったあたしを不思議そうに見上げている。
黒髪、学ラン、茶髪、隣町の学校の制服、カッコいい系と可愛い系…
(いや、まさか?そんな訳無い、うん有り得ないって、無い無い無い…)
嫌な汗が背中を伝った気がした。
「あれっ、何か黄色い鳥がこっちに飛んでくるよ?」
「学ランの子に止まっていた鳥だよね?真っ直ぐこっちに来るよ?」
「えー?何でだろっ、うわっ!なに…」
『……、マジか…』
「…朔…?」
黄色い鳥、その名前にダッダッダッと大股で窓に近づき下を見る。
見れば、それはそれは見たことのあるおふたりの変わらない姿とそれを囲む女子の群れ、そして真っ直ぐこちらに向かってくる黄色い鳥。
黄色い鳥…改めヒバードはこの教室の窓の前、そしてあたしの前まで飛んでくると、その口を開いた。
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