□25 氷帝
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『…これは…、まあ、やられた的な?』

「やられた?」

『ちょっとしたゲームだ。それでついた、てもんか。』

「…殴られたのか。」

『…』

「青学の奴らに…」




無言を突き通すが、景吾も他のみんなも厳しい目つきであたしを見る。

知ってる忍足もまた、少し怒っているかに見えた。




『…はあ。…まあ、かるーい苛め的な?』

「クソクソ!青学許せねー!」

「マジだな、激ダサだぜ。」

「そうですね。確かに見損ないました。」

『まあ、そう言うなって。…騙されているだけだし。』




苦笑気味に言い切れば、それを見て景吾が眉を寄せる。

そして理解できないとでも言いたげな顔で口を開く。




「だが、朔なら軽く避けられるし、やり返す事だって簡単に出来るだろーが。」

『誰がやるか!そりゃ知らない奴の事まで考えねェから、返り討ちにしてやる。けど、あいつ等は仲間で騙されてるだけだ。んなことであいつ等の夢が壊れるかもしれねェ事なんか、やらない!』

「…相変わらず、馬鹿だな。」

『誰が馬鹿だ!』

「馬鹿だ、お前は…」

『…へーへー。』




顔を上げた先の景吾は何ともいえない顔をしていて、あたしは何も言い返せない。

あたしは苦笑して景吾を見て、心の中でお礼を言った。

それからゆっくりとみんなに向かって口を開く。




『…つーわけでこれはあたしのゲームだ。あんまし手出さないで欲しい。』

「「「…」」」

『そん時になんないと判んないよな。けど、あたしが…オレがどーなろうと手を上げるな。青学に手を出すことは許さない。』

「「「…ああ/はい。」」」




全員が息を呑んだのがわかった。

だけど全員が頷き、約束をした。

あたしはゆっくりと微笑んで彼らに軽く頭を下げた。


(…ありがとう。)








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