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□27 圧倒
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「「!?っ…嘘、だろ…そのマークって…」」
『オレは世界最強と謳われるイタリアンマフィア、【ボンゴレファミリー】の次期幹部だっ!!』
「…ボン、ゴレ、ファミリ…」
「次期…かん、ぶ…」
『そういうことだ。』
彼らは唖然、呆然と言うようで口を開け目を見開いたまま固まった。
見せた左手首に外したリストバンドを再度付け直して彼らを見る。
元に戻らない彼らにため息をついて、口を開く。
『まだそっちにつくのか?』
「…金の分の仕事は、する…さ。」
『新人だろうが一人前なプライドはあるってか?』
「「あ、あ。」」
彼らはまだ信じられないようで自分たちのしていることに動揺しているようだった。
だけど、それでも自分達のやり方や信念を突き通そうとしている。
それを見て一層睨みを強くしてあたしも口を開く。
『本当ならボコボコのグチャグチャにして殺してやりてェーが、こちとらテメェらの主人の所為で時間がねェ。』
「!?殺さないのかっ!?」
『…テメェらには今井に伝えるっつーだぁいじなお仕事を与えんだ。』
「「…」」
口を閉じた彼らを見て、あたしは口元を歪めて笑う。
その瞬間に、ゾクリ、と痛く鋭くそれでいて怖いほど冷たい何かが彼らの身体を巡る。
(…これでも、オレ…かなりキレてんだ……!)
そして瞳を閉じ、深呼吸をしてから目を開き口を開いたと同時に殺気を放つ。
『今井に伝えろ。この程度でオレを殺せるとは舐めてんじゃねェエッ!オレの不在中にオレの大事に手ェ出したこと、許さねェ。これからこのオレをキレさせた事を思い知らせてやらァア!そして世界最強に牙向いたことを死ぬ程後悔させてやらァアアッ!!』
「(何つー、濃い息苦しい殺気…)」
「(小さな隙さえ、ねェ…)」
『もうひとつ、テメェらに餞別として忠告してやる。これ以上そっちで仕事をするのなら覚悟をしろ。』
ごくり、彼らの喉が鳴った。
あたしの瞳は真剣そのものだ。
一呼吸おいてから、ゆっくりと口を開く。
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