□27 圧倒
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『そっちを協力するっつー事は、ボンゴレを敵にする…オレやボンゴレと殺り合うっつー事だ。

「っ…(何ていう殺気の量だよ…)」

「っ、(場数が違う、格が違い過ぎるっ…)」

『よーく覚えとけよ。オレの大事に手ェ出す時もだ。そん時はこの手で切り刻んでやらァ!

「「っ…」」




やっぱり彼らは息を呑むだけだった。

部室のドアが開く、ガチャリという音を耳にしてゆっくりと殺気を仕舞う。

向かってくるのは景吾。部室前には忍足も待っていた。

それを見て、彼らに巻きつけていた鋼糸を解いてリストバンドに仕舞う。




「朔…」

『ああ…、去りな。テメェらにはもう逢わねェことを望むよ。』

「「わか…、た。」」

『行った、か。』




ザッ、ザッ、と地を蹴る音が響きこの場から離れていくのをしっかり確認する。

それから景吾の方を振り返ってにへら、と軽く笑って見せた。

それを見て安心した顔と訝しげな顔が混ざった難しい顔を景吾はしていた。

それに少し困ったような顔を返してから、真剣な顔に戻して景吾に向かって口を開いた。




『景吾、車は?』

「校門だ。……、逃がして良かったのか?」




少し不安そうに彼らの消えた方を見ながらあたしに問う、景吾。

確かにこの場に来たから、レギュラーたちが狙われるとか考えているのだろうと思う。

まあ、考えればあいつ等はあたしに用があるだけでこいつ等はない。

そこから考えて被害はない。今井はきっとこいつ等も欲しがるだろうし怪我はさせない。

これは絶対。だからあたしは口を開く。




『知るか。今あたしがやらなきゃならないのは、一刻も早く青学に戻ることだ。』

「…わかった、行くぜ。」

『頼む…』




そう言った直後に、校門に向かって走り出す。

景吾の隣を走り、その直ぐ後ろを忍足が追いかけてきていた。

でもあたしは兎に角早く青学に戻ることだけを考えて、足を動かした。








(早く、速く…、はやくっ…)
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