□28 安否
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後ろには恭弥とシャマルを連れて、桜乃の言っていた校舎裏に向かう。

校舎を曲がって前を見たとこに倒れた朋香とそれを心配そうに見つめ続ける桜乃が見えて叫ぶように声を出す。




『桜乃っ!朋香っ!』

「!!朔せんぱっ!」




あたしを見つけて桜乃は安心したのか瞳に涙を浮かべる。

それを見てあたしは桜乃に駆け寄って、その頭をあたしの胸に押し付け抱きしめる。




『良く頑張ったな、桜乃。大丈夫、もう大丈夫だ。朋香も助かる、助けてみせるから。』

「っ…せんぱっ、ああっうわぁぁああああんっ…」

『辛い想いさせてごめん。護れなくて、ごめん…ごめんな。』




涙の止まらない桜乃を優しく強く抱きしめながら、あたしはシャマルにアイコンタクトをとれば、シャマルが頷いて、朋香の容態を見始める。

あたしは桜乃の背中と頭をを撫でながら見守るが、その様子に恭弥はふたりではなくあたしを見つめて問う。




「朔は大丈夫なの?」

『うん。向こうでキレてきたから。』

「そう、ならいいけど。」

『まだこんなものじゃ弱らないよ、オレは。』

「…そうみたいだね。殺気漏れてる漏れてる。」

『わり、…シャマル、朋香は…』

「ふう、大丈夫だ。麻薬はほぼ中和させた。容態も安定してるぜ。」

「よか…った…」

『桜乃っ!…、安心して気の張りが解けたのか。』




朋香に寄りかかるように気を失った桜乃が倒れる。

その様子に少しあたしも安心して、瞳を厳しくさせる。




『さて、これで安心して行ける。』

「どこに行く気?」

『決まってんじゃん?…ちょっくらシメてこないとさあ。』




にんまりと、口元を上げて怪しく笑うあたしにシャマルが「こわいなー、女の子は。」と呟く、それに『うるさい。』と返して軽くシャマルを叩く。

それから真剣な目をして口を開く。




『シャマルと恭弥はふたりを頼むよ。ちゃんと護ってよな。』

「僕もそっちに行く。」

『嫌だ。手ェ出さないって誓える?』

「…努力する。」

『言い切れないじゃん。』

「そう言わずに連れて行ってやれ、朔。どうせお前暴れるんだろ?止める奴居るだろうが。それとも俺じゃここは不安か?」

『いろいろ心配。』

「いろいろって、朔ちゅあん酷いな。」

『嘘だよ。これでも結構シャマルの事信頼してるんだ。』

「…知ってるぜ。」

『だと想った。よし、そうと決まれば行きますか。景吾と忍足の様子も気になるし。』

「誰それ。敵?仲間?」




それに『仲間だよ。』と伝え、シャマルにアイコンタクトをとってから走り出す。

向かうは、青学男子テニス部の部室。







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