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□34 集合
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『悪戯が過ぎるよ、ベル。彼らを傷つけたら…あたし、キレるよ?』
笑うだけのベルに向かって、少し殺気を込めて睨み付ける。
ベルはソレを諸共せず、面白くなさそうに口を開く。
「シシッ、姫はそんなにそいつらが大事なワケ?」
『姫って呼ぶなって言ってんだろ、偽王子。それにこいつらは大事だ。…死んでも護りたい奴等だ、文句あっか!』
「「「朔、」」」
その言葉に周りは驚き、喜びと心配が同時に湧き上がる。自分じゃなく、朔に。
朔は勢いよく言い切るのと同時にナイフをベルの元に投げ返す。
勿論、ベルは怪我することなく簡単にそのナイフを受け取って渋々仕舞う。
(あたしは欲張りだ。だから全員護りたい。勿論、あたし自身も。)
それを見届けてから同じようにあたしは口を開く。
『勿論、んな簡単に死なない。だからそんなに睨むなよ、恭弥、凪…いや骸。』
「ふんっ。当たり前だよ、…朔は僕が倒す。」
「クフフ…相変わらず察しが良いようですね、朔。」
『お前等な…。たく、…ご機嫌いかが?ザンザスさんよ。』
そして最後にどっかり椅子に凭れるザンザスに目を移す。
その切れ長で釣り上がった赤い瞳は周りからは恐怖しか持たせない。
だけど、ザンザスを知っている朔だからこそその目に気付いた。
「テメェは昔から変わらねェな。」
『まーな。ザンザスも突拍子もなく横暴なとこ変わってないじゃんか。』
「う"おぉぃ!カッ消されるぜぇ朔!」
『「黙れ、カス鮫。」あたしはまだスクのミス許してないから。』
口を挟んで怪我をしたスクアーロは「っ、チッ。」と舌打ちをした。
それに全員が「ご愁傷様、」と同情したのは言うまでも無い。
『でもさ、知ってんだよ。…心配で来たんだろ?やり方はどうであれ…ありがとな。ザンザスは少し柔らかくなったよ。』
「…ハッ、言ってろ。」
『言ってますー。でも、お陰ですこーし仕事が減りそうだ。』
にぃっと歯を見せて得意そうに笑う。
その笑顔に全員が目を見開いた後、顔に熱が集まるのを感じた。
それに気付くことなく、朔はシナリオを練り直して余裕そうに頬を緩めた。
(まずは第二段階へ、)